おととし始まった盛岡城跡の石垣の修復工事で、いったん解体した石を再び積み上げる作業が25日始まりました。今後300年崩れない石垣を目指して、ひとつひとつ丁寧に積み直していきます。
 
 25日午前10時、盛岡城跡三ノ丸の石垣の前に工事関係者が集まり、去年11月までに解体した石を再び積み上げる作業を開始しました。盛岡城跡の石垣は今からおよそ400年前の1617年頃に築かれましたが、地震などで損傷したため、1705年に積み直しを行った記録が残っています。それから300年以上が経過した石垣は、地震や時の流れで一部の石が膨らんだり、石と石の隙間が広がったりしていたことからおととし10月に修復工事が始まりました。

(リポート)
「解体した石をもとの場所に戻す作業が行われています。専門の業者が位置や角度を丁寧に調整して作業を進めます。」

 修復する範囲は高さ8メートル、幅34メートル。来年の冬までに重さ1トンから3トンの石343個を14段に積み直します。

(盛岡市公園みどり課 佐々木亮二さん)
「かなり石垣が膨らんでいる状態がわかっていて、このままでいくと、地震、豪雨の場合に崩れる恐れがかなり高い。我々も当時の技術を見習いながら300年、400年後の方々が見た時も良い修復工事をしたなと言っていただけるような工事にしたい。」

 石垣の積み上げ作業を支えるのは、東京から来た3人の石工職人です。

(小林石材工業 諏訪匡さん)
「この2トンとか3.3トンの石を今だったらクレーンですぐ持ってこれるが当時はそんなことはできない。300年、400年前の盛岡の石屋さんが積んだと思うんですけど負けないぐらい良いものができあがれば。」

 現代の技術と職人の技で石垣を未来へつなげます。今年の修復工事は、11月頃まで行われる予定です。