おととし、福島県南相馬市小高区にできた酒蔵「haccoba」。オープンから2年が経ち、「酒造りを通して人が集まる場所を作りたい」と、新たな挑戦に踏み出しました。

「そもそも酒蔵を始めてまだ2年ですけど、続けられていることがまず何よりもありがたい」

こう話すのは、南相馬市小高区の佐藤太亮(たいすけ)さん(30)です。小高に酒蔵を作ってから、2年が経ちました。

佐藤太亮さん(30)

2年前、小高にオープンした「haccoba」。飲食ができるバーも併設され、多くの人が集う異色の「酒蔵」です。

郡山市の女性「このお酒を通じて、いろいろな方とコミュニケーションをとれたらいいなと思いましたし、これから人が集まってくる場所になったら良いかなと感じました」

震災の津波で大きな被害が出た小高は、その後、原発事故により、一時、すべての住民が避難を余儀なくされました。2016年に大部分の避難指示が解除されましたが現在、街に戻ってきた人は震災前の3割ほどです。

「一度は人口がゼロになった小高に、大好きなお酒を通して新たなコミュニティを作りたい」

その思いを胸に、首都圏から移住してきた佐藤太亮さん・妻のみずきさん、そして立川哲之さんの3人が酒蔵を立ち上げました。

佐藤さん「僕たちのお酒を手にとって飲んでいただいた方々に、この地域や原発など社会的な課題に対して思いを馳せていただいたり、思い出したり、そういうきっかけになり得るのかなと思っている」

佐藤さんたちが作るお酒は、日本酒の製法をベースにビールで使うホップなどの副原料を加えた新しい感覚のお酒です。

オープンから2年が経ち、再び「haccoba」を訪ねると…。