20年ぶりに県政の新たなリーダーが決まる青森県知事選。立候補しているのは届け出順に、前のむつ市長・宮下宗一郎候補(44)、元むつ市議会議員の横垣成年候補(63)、前の青森市長・小野寺晃彦候補(47)、仙台市の元会社員・楠田謙信候補(66)の4人です。候補者が掲げる主な政策の3回目、きょうは「医療・介護・福祉」です。
青森県は男女ともに日本一寿命が短い「短命県」
国の5年ごとの調査によると男性は79.27歳で1975年から10回連続、女性86.33歳で1995年から6回連続で全国最下位。こうした中、医師の数は人口10万人あたりでみると、212.5人で全国で7番目に少ない県です。また、人口に占める65歳以上の割合は33.95%で、高齢化が年々進んでいる一方、介護関係の職種は慢性的な人手不足が続いています。県民が安心して暮らせる医療・介護の基盤づくりは喫緊の課題となっています。

※宮下 宗一郎候補
「医師不足の本県です。また、医師の偏在がある本県ですので、ドクターの数を知事が先頭に立って増やしていく。そして医師の偏在を医師配置の平準化。そして応援医師システムの確立、さらにはオンライン診療の普及という形の中で実現していきたいと考えています」

宮下宗一郎候補は、入院治療を行う病院を対象に医師や看護師の配置を再編して適正化を図ると訴えています。また、高齢者が生きがいを見い出せる場の設置や介護ロボットの導入による従事者の負担軽減を進める考えです。

※横垣 成年候補
「大変です患者さん。今どんどん(医療費の)負担が高くなっている。負担をあまり高くするなと国に話していかなければならないし、お医者さんが不足しております。私はお医者さんを増やすように国に申し上げたい」

横垣成年候補は、医療費の負担軽減と医師の確保を国にはたらきかけると訴えています。また、介護従事者の賃金引き上げと非正規から正規雇用への転換を県として支援する考えです。

※小野寺 晃彦候補
「元気で長生きであるための介護予防の拠点“まちなかいきいきサロン”を全40市町村に整備していく、そうしたことも取り上げます。また健康づくりのリーダーをさらに増やしていく、そうしたこともしっかりと掲げておりますので、健康づくりの形、また、介護予防、早めに。病気にならない、介護度が上がらないそういう形で多面的に取り組んでいきたい」

小野寺晃彦候補は、県内6つの県民局単位で健康づくりのリーダーを育成すると訴えています。また、がん検診受診率60%への引き上げや県内で医師として勤務するために県外で学ぶ学生に対する修学資金の枠を3人から50人に拡充する考えです。

※楠田 謙信候補
「介護というのはマンパワー、どうしても機械に置き換われない。農業並みに重労働のわりに収入が低い欠点がある。そこは直していきたい。介護をする人の健康を維持することも介護政策の中では必要だと思っている」

楠田謙信候補は、介護従事者の賃金アップで離職率を下げるとともに心と体のケアにも力を注ぎ、処遇と労働環境の改善を図ると訴えています。

「医療・介護・福祉」それぞれの候補者の訴えです。宮下宗一郎候補は、医師や看護師の配置を再編し、介護分野では高齢者が生きがいを見い出せる場の設置。横垣成年候補は、医療費の負担軽減などの国へのはたらきかけや介護従事者の非正規から正規雇用への転換支援。小野寺晃彦候補は、健康づくりのリーダー育成やがん検診受診率60%への引き上げ。楠田謙信候補は、介護従事者の処遇と労働環境の改善を図ると訴えています。

青森県知事選の候補者が掲げる主な政策について、次回は「経済・雇用」をお伝えします。