青森県中泊町の十三湖のほとりにある2軒の店が5月27日にリニューアルオープンします。再出発を迎える店には、次のオーナーを目指す33歳の女性が子育ての経験や客と接する中でひらめいたアイデアが詰まっています。

こちらは、シジミ料理の専門店「しじみ亭奈良屋」の看板メニュー“しじみづくし”です。


店は、日本有数の「ヤマトシジミ」の産地として知られる中泊町の十三湖のほとりにあります。ここでとれるシジミをふんだんに使った料理を約30年にわたって提供していて、店には、奥津軽の味覚を求め多くの人が訪れます。
ただ、ここでシジミが食べられるのは5月23日が最後となり、27日には土産物店として生まれ変わります。


※奈良屋 奈良紗有里さん
「今回リニューアルではくちょう亭奈良屋にお食事処を一本化した」

隣りにある姉妹店の「はくちょう亭奈良屋」に飲食サービスを一本化するというのです。これまで「はくちょう亭」では、地元の山菜や魚を使った料理を提供し、「しじみ亭」とすみ分けしてきましたが、コロナ禍による売り上げ減少を機に経営の効率化を図るためにリニューアルします。



※奈良屋 奈良紗有里さん
「お子さま連れが来やすいようなお店作りと地域の方の居場所になるような店舗作りを目指したいと思ってリニューアルしました」
次期オーナーとして修業中の奈良紗有里さん自身も1歳の子どもを育てる母親です。「はくちょう亭」には、赤ちゃんのおむつ交換ができるベビーベッドを新たに設置しました。小さな子どもと一緒に訪れる客が“過ごしやすい店にしたい”との思いからです。また、個室を改装して家族で広々とくつろげるファミリールームも用意しました。


※奈良屋 奈良紗有里さん
「わざわざ車の中でミルクを作って飲ませたり、車の中でおむつ替えをするお客さまがいて、そういうのにすごく心が痛んだ」
また、コロナ禍であまり使われなくなった大広間で店がイベントを開催したり、地域住民のサークル活動などに無料で貸し出したりして活用する方針です。


※奈良屋 奈良紗有里さん
「お店がだんだん廃れていくのがもったいないのでどういう形でもいいから変えてみたいという思いが強かった。それが巡り巡って町の発展や地域の活性化の貢献につながればいいと思う」

店で働き始めて半年、まだまだ新米の奈良さん。地域に愛される店を守るための挑戦が続きます。
