今回ご紹介するのは、国内で貨物を運ぶ内航船です。

ただ、内航海運業界が抱える課題は多く、例えば地球環境、船員不足、労働環境などの問題もあるといいます。こうした課題を解決しようと、2020年、全国の船舶メーカーや海運会社などが参加して、「内航ミライ研究会」という団体が立ち上がりました。この研究会が開発した「SIM-SHIP(シムシップ)」という船が未来の船として注目されていて、そこにカメラが入りました。

今治市吉海町にある山中造船で、SIM-SHIPが造られています。
まず案内してもらったのは、船を操縦する上で重要な機械が集まる「ブリッジ」と呼ばれる場所です。
内航ミライ研究会 曽我部公太専務理事
「特徴としては、船の機器全てのデータ、繋いでいるもの全てが映し出されています」

今回開発された、陸上サポートシステム。船がどのような状態で進んでいるのかや、運航時の機器の異常などについて、陸上でも監視ができるシステムです。
また、例えば船の機械に不調があった際、これまではどの部分で修理が必要なのか現場を見て確認しないといけなかったのが、この画面に表示されるようになりました。
内航ミライ研究会 曽我部公太専務理事
「船員さんは普段、運航に手一杯。修理やメンテナンスの時間がない状態なので、陸上から支援をして、事前に部品を段取りしてそれを素早く届ける、またはサービス員が直す。多く普及することによって、労働負荷低減が望めるのではないかと考えています」
“船のデジタル化”で働き方改革にも期待が持たれています。