パフォーマンスに白杖は“邪魔” それでも持ち続けるワケは?

熊崎キャスター:
ダンスの時、白杖を持ちながらパフォーマンスをするというのは、実は邪魔だということです。なぜ持っているのか。ここを知ってほしいということで“シンボルケーン”、つまりは、周囲に自分は視覚障がい者だと知らせるために持っている。この部分をもっともっと多くの方に知っていただきたいということなんですよね。
もちろん白杖を持つことによって普通に歩いてる時、目の前に何か危険があるか、ないかということを確認するツールにはなるんですが、自分は視覚障がい者だということを知らせるというのも大きな意味を持っている。というのもMORIKOさんは、白杖を持たずに出かけることもあったそうなんですが、大変怖い思いをしたこともあるということです。
MORIKO JAPANさん:
そうですね。お店に行くと、メニューとか何もわからなかったりするんですけど、介助を求めても白杖を持っていないと、見た目も健常者っぽいので、何のこと?見えてるんじゃないの?読み上げて欲しい?何のこと?みたいになっちゃったりとか、うまくスムーズに介助を得られなかったりするんですよね。
なんでここまで来れてるの?あれ、見えないんじゃないの?みたいな。白杖を持っていれば目が見えにくい、見えないんだってことがわかるので、それを伝えるために持ってます。
井上キャスター:
全盲の方もいれば、弱視の方もいる、そのあたりの違いの葛藤があるという話も聞くんですけど、どう捉えていますか?
MORIKO JAPANさん:
白杖を持っているとイコール全盲だと。何も見えていないんだと思っている方も結構多いです。白杖を持っていて、目が見えていそうな感じだと、すごいつけ回されたりとか、写真撮られたりとかもします。
あとは白杖を持っていると物件を借りられなかったりとか、留学しようと思っても断られちゃったりとか、そういうのもあるのでなかなか大変ではあります。
井上キャスター:
今ちょうど弊社で、純度100%の真っ暗闇を体感できるというイベントを竹芝でやっていて、私も実際行ってみたんですけど、1人でも多くの人が体験、体感することで変わってくるんじゃないかなと感じるところがあるんですが、いかがですか。
MORIKO JAPANさん:
そうですね。実際皆さん普段生活されてる中で、目が見えない方とか見えにくい方とかと一緒に生活するってなかなか思わないじゃないですか。
ほとんど見ることもないと思うので。なので実際にこういった体験をしていただくことで、実際に目が見えない、見えにくい人とかと、一緒に同じ世界で生活してるんだよというのを感じ取っていただいて、その中でこういった技術があったら、目が見えなくてももっと色んなことができるんじゃないかとか、技術じゃなくても、こうやって助けをしてあげたらすごく助かるんじゃないかというのを実際に考えていただけたらいいなと思います。
井上キャスター:
お互いが歩み寄っていけるようなね。
日比キャスター:
ぜひその白杖を持ってパフォーマンスを続けるその思いをお願いします。
MORIKO JAPANさん:
実際白杖を持ち始めたときに、職場でも「白杖持ってくるな」「白杖ついてくるんじゃない」みたいに言われて。そういう差別とか受けたりしたんですけど、やっぱり自分は、無いと介助を受ける面でも困るし、足元が分からなかったり、物にぶつかっちゃったりもします。
でも、絶対持った方がいいものなので、僕はこれを持ちながらSNSなどで発信活動することで、障がいのある人、家族や周りの人、そういった人の希望や夢になれるように。
あとは、障がいについて少しでも理解が深まればいいなと思って続けていこうと思っています。