注目の水素エネルギー、その貯蔵方法は?実用は可能??

現在、水素の貯蔵には様々な方法が考えられていますが、コストや用途によっては一長一短があり、より手軽に水素エネルギーを使える貯蔵方法が求められています。

そこで琉球大学が注目したのが、コンパクトに水素をため込む“アンモニアボラン”を活用した水素の貯蔵方法です。

中川准教授「まず密度が高い。すごくコンパクトで、小さくても何リットルも水素が出るっていう、アンモニアボランになると、これが溶媒の中に、液体のなかに溶けて、アンモニアボランとしてとどまるんですけど液体を飛ばすとアンモニアボランが出てくるという、そんな感じになります」

ホウ素・窒素に、多くの水素原子が結合しているアンモニアボラン。合成に時間がかかる点や、既製品の入手にコストがかかるなどの課題はありますが、利便性や、携帯性にも優れており、水素エネルギーの実用に向け期待されています。

琉球大学が、2012年から続けているアンモニアボランの研究は、今年、アメリカ科学界の学術雑誌にも掲載され可能性が評価されました。

中川准教授「今はまだガソリンとか、化石燃料で作っている方がまだ安いんですけど、将来的に何で水素を作るかという選択肢が増えて、もっと安く作れるようになれば、そこがブレイクスルーになって広がっていくのかなと思います。未来で自分たちが使っていくんだというところを意識してもらいたい」

【記者MEMO】
アンモニアボランを活用し、水素を発生させる充電方法。これは県の事業で委託をうけた中川さんがアイデアを出し研究を進めたもの。実用化されると屋外での電源確保や、災害時、非常用電源としての活用も出来、幅広い用途が見込まれます。

また沖縄には水素ステーションがないこともあり、水素がエネルギーとして活用されている認知もまだまだされていないということで、ぜひ正しい知識を持って水素に親しんでほしいと話していました。

より身近に、水素を扱える社会に向けて研究は続いています。