議題となりうる「核問題」や「ウクライナ情勢」 問われる日本の立場
ホラン千秋キャスター:
世界的な課題が山積していて、それが短期的なものから長期的なものまで様々あると思うんですけれども、このG7広島サミットで最も注目されているポイントはどちらでしょうか。
萩谷麻衣子弁護士:
私は核の問題およびウクライナ情勢ですね。戦争というものは、その他の課題である気候・エネルギー問題、食料問題、ジェンダー平等に対して悪影響を及ぼしているので、ウクライナ情勢をどうするかが最も重要な課題かなと思います。
このG7では経済制裁をどう強化していくかを話し合うと思うんですけども、できるだけ効果的に経済制裁を行って、ロシアがもう戦争ができなくなっていくような状態を作り出すことは大事です。
が、そのためにはロシアの輸出を買い支えている中国、インド、トルコにも働きかけていくことが重要で、幸い日本はアメリカほど中国とは対立していませんし、インドやトルコとも関係が良いことで、分断を深めないような独自外交をどうやっていくのか、そこに注目すべき点があるんじゃないかなと思います。

ホランキャスター:
これまでも欧米諸国が経済的な制裁をかけていますけれども、抜け道があると結局それが効かなくなってしまう、その問題をどうするかですよね。
萩谷麻衣子弁護士:
各国いろんな思惑や利益があるのでなかなか難しいと思うんですけど、日本がアジアとしてロシアとも中国とも近い立場にあるというところをどう生かしてそれを進めていくかが重要かなと思います。
井上貴博キャスター:
実際、G7が始まるのに向けて中国もロシアも切り崩しに動いてるわけじゃないですか。今は北朝鮮も核に向けて準備を進めている、中国も核弾頭を増やしている、ロシアも戦争を起こしている。これだけ日本のメッセージが問われるサミットって過去ないんじゃないでしょうか。
萩谷麻衣子弁護士:
本当にそう思います。ロシアが核を使うぞと恫喝するような中で、自分の国も核を持たなきゃいけないんじゃないかと声を出している国もある。
だけれども、やはり日本は核軍縮、核不拡散を強く言っていかなきゃいけないし、その先にある核廃絶への道筋をどう示していくのか、そこが本当に問われているサミットだろうなと思います。
井上キャスター:
官僚の中では広島で開催しても核不拡散にそんなに踏み込んだメッセージは出せないんじゃないか、だから広島はやめた方がいいんじゃないかなんていう動きもあったんですけど、岸田さんは「ここは広島なんだ」って政治家として押し切った。だったらどういう結果が出てくるのか、世界で注目されているわけです。