飛行機のエンジンやゴルフクラブなど、身近なところで活用されている「金属チタン」です。このチタンを使って制作活動を行うブラジル人が、岡山県玉野市にいます。いったいどんな作品なのでしょうか。





(アントニオさん)
「チタンのアートの作品です。北斎、モナリザとか」



チタンの板に浮かび上がった、不思議な色彩が織りなすアート作品。

制作したのはブラジル人のルッソ・アントニオ・セイゾさん(56)です。コロナ禍で外出の機会が減り、趣味で始めたという制作活動ですが、絵の描き方は…。

(アントニオさん)
「チタンのプレートに電気を流して、チタンの被膜に電気を流すことで色が変わってくる」



「電圧によって色が変わる」

電圧の高低によってチタンの色が変化する化学反応を用いたアート。エンジニアとして働くアントニオさんは、「アートに活かしたい」と自分で描き方を編み出したといいます。

(アントニオさん)
「すごいんじゃないかな。今までにはないから面白いんじゃないかな」

「新しい、イノベーションを起こそうかななと」


これまでに制作したアート作品は約30点。見せる平面作品だけではありません。


(アントニオさん)
「タツノオトシゴ。会社の端材で作った」

「職場で捨てられる端材がもったいない」と感じていたアントニオさん。斬新な発想で新たな息を吹き込みます。

(アントニオさん)
「夢は美術館に飾りたいとか」

「子どもたちに教えたりとか、機械を買ってアトリエみたいにしたい」

アントニオさんと、電気を操り生み出す色彩。そこにはまだ見たことのない神秘的なアートの世界が広がっています。