グラスファイバー工業化に成功 さらに医薬品開発も

実に今から93年前、郡山の研究所を中心に試行錯誤を重ね、その8年後にグラスファイバーの工業化を世界で初めて成し遂げます。

さらに進化を重ね、グラスファイバーで作った布「ガラスクロス」は、電子機器に欠かせない「プリント配線基板」の材料となり、スマートフォンやパソコンなど身近な製品に活用されています。

技術の進歩は精密機器の小型化・軽量化に大きく貢献してきました。さらに、国内で唯一名だたるスーパーコンピューターにも採用されています。

日東紡・辻裕一社長「現在の5G・6Gに対応するような最先端のガラスをさらに発展させて、グローバルに通用する高付加価値なグラスファイバー事業を構築していきたい」

しかし、そんな大企業でも苦難の歴史がありました。太平洋戦争当時、工場は大きな被害を受け、戦後、時代の流れとともに、繊維産業が国際競争力を失うことに。そこで繊維だけでなく医薬品の開発など、それまでにない分野にも取り組み、企業として活躍の幅を広げました。

代々受け継がれてきた「チャレンジ精神」は、現場の人たちにいまも根付いています。

日東紡福島工場・長沼伸明工場長「あきらめずにチャレンジしていくこと、これが次の100年へのひとつの基本となると思う」

創業100年を迎えた日東紡。その視線はさらに100年先を見据えています。

日東紡・辻裕一社長「会社の中の風土として失敗を受け入れる度量みたいなものをもっと持っていかなければいけないと思う。すべてのステークホルダー(利害関係者)の皆様から日東紡で良かった、日東紡に入社して良かった、日東紡と取引して良かった、日東紡がこの街にあって良かった、そういう企業にしていきたい

日東紡は、国内だけでなく台湾やアメリカにも工場を設けていて、今後、グローバルな事業にも力を入れていくということです。