■東京のGoToイート販売再開は…「今が良いタイミング」
ニッセイ基礎研究所 久我尚子氏:
▼神奈川県など、感染状況が落ち着いている自治体が実施するのは、流れとしては自然。動かせるところは動かすのが重要。
▼東京都の場合、制限なしのゴールデンウィークということもあり消費者心理は上向き。今は需要喚起策が響きやすいタイミング。
弁護士 八代英輝:
GoToイートは元々、感染状況が落ちついている自治体やその自治体を含むブロックで飲食業や観光業を動かしていこうという発想だったわけですよね。でも、ずっと東京は除外されている状態で、おそらく東京に住んでいる方がかなり不公平感を持たれていると思うんです。今回の神奈川県がちょっと謎だなと思うのは、神奈川県民だけでなく他の都道府県の人も買うことができる。ということになると、ますます東京だけやらない理由はどうなんだろうと感じてしまいますね。
落語家 立川志らく:
東京は本当にいつ始まるのか。神奈川、埼玉、千葉の人もいっぱい東京に働きに行っているわけで、ある程度足並みを揃えていかないと「やっぱりまだまだ」という気持ちになってしまう。
■行動制限のないGW明け…全国の感染“減少傾向”も今後は?
5月16日の全国の感染者数は2万1784人ということで、前の週の月曜日から約6700人減っています。3回目のワクチンの接種率は56.0%です。
東京の新規感染者数は5月14~16日まで、3日連続で前週の数を下回っています。
東北大学大学院 小坂健教授:
“制限なしのゴールデンウィーク”でも個人が感染リスクを避け制限をかけたことで、爆発的な感染を防げたといえる。今後も同様に行動すれば、経済を回していける自信に繋がるのではないか。
――あまり増えていないとの見方でしょうか?
小坂教授:
そうですね。ゴールデンウィーク中は検査がなかなかできないので減っていますが、その期間が明け、感染者数がゴールデンウィーク前に戻ってきたという状況が多くの自治体で起きているのだと思います。
そういった背景には
▼オミクロン株になって症状が出るのが早くなり、2週間経たなくてもかなり状況がつかめるようになったこと、
▼ゴールデンウィークにかなり人出も増えたが、屋外でのイベントや活動が多く、(コロナが始まってから)2年経ってどうやったらリスクがあるのかということが個人個人で分かってきたこと、
▼人出がある程度増えても感染爆発を起こさない、あるいは感染者が出てもあまり大きなクラスターにならなかったことなどが挙げられます。
皆が生活の中で、自然にコロナに対する行動に気を付けながら経済活動を回していくといういい機会になってきたのかなと思っています。
立川:
あれだけ観光地に人がたくさんいて、(感染者数が)増えずに、もしかしたら減る場合もある。それなら東京都もGoToイートをやってもそんなに問題はないということですよね。
八代:
感染者数もさることながら、やはり医療状況ですよね。比較的落ち着いているという状況にあれば、起動的に動かし始めて何か不安要素があったら止めるということにした方が良い。ずっと様子を見ていると、経済が停滞したままになってしまう。
■専門家「基礎的な免疫を皆が持ち始めている影響」
――医療提供体制という意味では、ウィズコロナが実現できているのでしょうか?小坂教授:
いくつかの場所、例えば宮城県でも感染者はそれなりに出ているんですが、入院する人が極めて少ないという状況になっています。また、病院などでクラスターがあっても、転院させずにその病院内でやっていけるというような状況ですから、医療体制でいうと以前よりだいぶ楽になってきているという状況が続いています。
ワクチンの3回目接種が高齢者でかなり進んできたことや、感染により自然免疫ができた例が800万人以上報告されていることなどから、基礎的な免疫を皆が持ち始めているという影響が出ているのではないでしょうか。
――4回目のワクチンの話が出ていますが、もう全員接種ではなくなるのでしょうか?
小坂教授:
国によって違います。基本的には高齢者あるいは基礎疾患のある人が対象ということになります。基礎的な免疫がついているので普通の方が4回接種が必要かというと、なかなかそれは微妙なところだと思っています。ノババックス社のワクチンもできているので、そういった副反応も軽いようなもので、追加接種をしていくようなことが今後展開されればいいと思っています。
(ひるおび 2022年5月17日放送より)














