“処方箋なし”でどうなる?

▼薬局で購入できることによって起こるメリット
何よりも「入手するまでの時間が短縮できる」ということ。
性行為から72時間以内の服用で高確率で妊娠を防ぐことができますので、なるべく早くお薬を手に入れて服用するということが大切になってきます。
▼懸念されること
使用の強要です。
男性が不正に入手(転売など)して、女性に使用を強要する恐れも指摘されています。
“アフターピル”に関しては、薬局で誰でも買えるわけではありません。
「要指導医薬品」で、薬剤師が対面で薬の情報提供や服薬指導を行いながら販売するものとしています。ただ、数年経つと「一般用医薬品」になり、誰でも手に取って買うことができるもの(ネットでも購入可)になっていくことになりそうです。
栄氏
「服用することができたとしてもアフターケアが重要」
栄氏:
一番大切なのは、なるべく早く飲まないといけないということです。72時間以内とありますが、早ければ早いほどいい。あと、避妊効果は100%ではないので、やはり3週間以内に通常の月経が来ない場合は病院に行くなどして、妊娠しているかどうか調べるというのが大事です。
また、OTC(処方箋なしに購入できる医薬品)に反対ということで全くないんですけれども、やはり女性にとって“アフターピル”へのアクセスがよくなることは素晴らしい一方で、男性の一部の人にとっても都合がいい面があるという点は否定できません。「アフターピルを飲んでおけば安心だ」とコンドームをつけてもらえないというようなことも発生しかねない。こういったリスクもちゃんと把握した上で安全な運用について議論しつつ、薬局で売る際には、地域の産婦人科医療との連携というのが肝になってくるかと思います。
井上キャスター:
“アフターピル”は、コンドームと同じように並列で置いてあってしかるべきだろうなと思いますし、望まない妊娠をした場合、責任が女性に集中しがちなのはすごくおかしいなと思います。1人で妊娠なんてできないし、男性のモラルとか責任というのは問われるべきなのに、こういう話題も女性の問題だよねってなりがちですが、そうではない。男性も入ってみんなで議論することが大切だし、もっと男性側も知りたいんですよね。
栄氏:
男性にとっても妊娠というのは当事者であるべきですし、そういう意識が高まってほしいです。やはり、学童期・思春期の頃にきちんとした性教育をできるだけ全人的な人権教育の一つとして行い、体の自己決定権について学ぶべきだと思います。