■深い水位での作業が可能に “飽和潜水”とは?


ホランキャスター:
“飽和潜水”がどういうものなのか、作業を行う船からご紹介します。

民間の作業船である「海進」が、17日に網走港に到着しました。この「海進」は、深海での作業を可能にするための潜水士、機材などが載っている船です。
19日から2日間、船内の行方不明者を捜索し、その後、船体の引き揚げに向けた調査を行うということです。

民間の作業船「海進」


飽和潜水とはどのようにして行うのか。準備も、“飽和潜水”を行った後も、大変な作業がたくさんあるんです。

まず、普段私達が生活している海上は1気圧で、「KAZU I」があるのは水深約120メートルなので、そのあたりは約13気圧になります。ですので、そのまま潜るということは、間違っても出来ません。
ですので、その気圧に体を慣らすために、事前に24時間、気圧を変えられる部屋で過ごすことになります。


そして体が慣れてくると、今度は加圧状態にしたまま作業をする場所まで潜ることが可能になる、水中のエレベーターを使って外に出ます。そして作業を行うのですが、作業時間の制限というのは限度がないそうです。
ただ、空気を送るケーブルなどが繋がっていて、範囲に制限があります。今回の「海進」について、正確に何メートルかというのは分からないのですが、海上自衛隊の場合半径約15メートルですので、それとおよそ同じ範囲だろうということです。


そして、潜水士の皆さんが身に着けているスーツは、スーツ内に温水が送られることで、深海の低水温でも暖かく、危険がないように潜水が行えるということです。

作業が終わると、再び水中エレベーターで海上に戻って、先ほどの気圧を変えられる部屋に戻る、という繰り返しで何日か行います。
作業が全て終わっても、外に出られますということではないのです。浮上後、体を海上の気圧に慣らすために、約1週間かかります。その間は、部屋から出られないということになるんですね。

防衛省の資料によると、気圧に身体を慣らす部屋を「居住区画」というそうです。体格の良いダイバーが6人、膝を突き合わせるぐらいの狭さだということです。

「居住区画」にはシャワーやトイレがあり、ソファを2段ベッドにして寝るということです。

気圧をコントロールしているので、食事もそのまま届けるわけにはいきません。食事を届けるためのハッチがあり、ハッチを開けて、内部を加圧したまま食事を届けるということです。例えば、袋に入っているポテトチップスなどは袋に穴を開けないと気圧でつぶされて粉々になってしまうということがあるそうです。