ゴールデンウィークなど長い連休が明けた後は、それまで頑張って学校に行っていたけれど「やっぱり行きたくない」と言って不登校になる子供が増えるとされています。そこで今回は「もし、子供が不登校になったら、大人はどう接すればいいのか?」 取材しました。

「学校に行きなさい」と娘に言ったことを後悔

お話を伺ったのは、東京都立川市で不登校支援を行うNPO法人「ゆとりある」の理事・野中弘子さん。野中さんも、現在中学3年生の長女が、小学1年生から今まで不登校状態だといいます。

NPO法人「ゆとりある」理事 野中弘子さん
「うちはまさにゴールデンウィーク明けからもう『学校やだ』って言い始めて。もうあんなところには二度と行かない。で、行かなくなっちゃったんですけど…ある程度予想してたんですよね。保育園も行き渋る子だったので、いつか学校も行きたくないと言うだろうなと思ってはいたんですけど、でもやっぱり実際そうなったら、いやそれは言って欲しくないなっていうのが親の本音、私の本音でした。当時はとにかくもう、これは休ませちゃいけないと思ったので『学校は行くものなんだから行きなさい』と。行きたくないんだねっていうのを受け止めることを当時私はできなかったので。受け止めてあげればよかったなって、すごくそこは後悔してる部分ですね」

野中さんの長女はとにかく体育の授業が嫌だったそうです。「前にならえばっかりさせられる。一生懸命やっているのに、先生に『そうじゃない』と姿勢を直されてつまらない」と言われた野中さんは、「体育が嫌なんだったら、体育だけ見学させてもらえばいい。他は行きなさい」と伝えました。ですが結局、中学3年生の今に至るまで不登校状態。もしあの時、気持ちよく休ませてあげたら、また学校に行く力がたまったのではないか、と野中さんは振り返ります。

野中さんは小1の娘が通える学校以外の居場所を探しますが、近所のフリースクールは対象が小3からで入れませんでした。ほかには立川市教育委員会が設置する不登校の子どもの居場所「教育支援センター」(旧:適応指導教室)もありますが、学校や市の相談窓口からは、「小学1年生からそこに通って、あれが学校だと思われるのもよくない」と言われ、結局1年生のうちは居場所に通うことができず、週一回程度、放課後の学校に顔を出すのみ。それでも、小学2年生からは教育支援センターに通い始めます。しかし、娘に一日中付き添うため、野中さんは仕事を辞めざるを得ませんでした。収入が減る上に、学校ではない場所に通うための交通費や、給食が食べられないのでお昼ご飯の費用が余計にかかること。生活がガラッと変わってしまい、苦しかったといいます。