除染で出た土の再利用については、これまで様々な動きがありました。

現在、除染土は福島県大熊町と双葉町にまたがる「中間貯蔵施設」に運び込まれていて、その量はおよそ1336万立方メートル、東京ドーム11個分に上ります。

こうした中、環境省は放射性物質の濃度が比較的低い土を再利用しようと、安全性を確認する実証実験を進めています。県内では、除染土を使った再生資材を使って作物を栽培したり、水田の土壌として使用したりする実験が行われてきました。

そして、県外では3か所で実証実験が行われる計画ですが、地元の反応は様々です。

去年12月に都内で行われた住民説明会。都内では「新宿御苑」で除染土の再利用の実証実験が行われる計画ですが、住民からの反応は…。

説明会の参加者(70)「一応今日の説明では安心感を得ました」
説明会の参加者(79)「賛成できるだけのちゃんとした安全性を言ってくれないと、(除染土を)持ってきては困るなと思います」

除染土の再利用について、懸念の声が多いのが現状です。

一方で、今年3月に実証実験の誘致を検討する自治体も出てきました。それが青森県の風間浦村です。

風間浦村の冨岡宏村長は「まだ検討段階」としながらも「村民にきちんと説明すれば理解を得られる」と考えを示しました。

除染土は2045年までに県外で最終処分を完了することが決まっています。明確な期限がある中で、除染土の再利用を進めるためには、地元住民の理解を得ながらどう計画を前進させるかが課題となっています。