最大震度6強を観測した5日の石川県能登地方の地震は、地震の規模、つまりエネルギーを示すマグニチュードが6.5でした。政府の地震調査委員会は能登地方の地震活動が「当分続くと考えられる」との見解ですが、富山や石川で地震の研究をする専門家は「本体の活動の前兆というか準備段階」としたうえで、富山でマグニチュード7の可能性もありうると話します。マグニチュードが0.2上がると地震のエネルギーは2倍になり、0.5上がるとおよそ5.6倍にもなるのです。心配される地震の今後について富山や石川の地震の研究をする富山大学の竹内章名誉教授に詳しく聞きました。

竹内章名誉教授は今回の地震が群発地震の一連の中で “最大のもの”とみた上で、今度おおもとの活断層の本体が動く恐れもあると指摘、「本体の活動の前兆というか準備段階という風にもかんがえられる」としました。

記者:「(本体の活動の前兆という指摘について)それは怖いですよね?」

竹内章名誉教授:「陸上では今回も被害が出ていますけど、揺れによる被害、それから土砂災害、そういったものが起きるわけですけども、その活断層の本体は珠洲の地下に13キロから16キロぐらいまでの間にいっている。斜めにいっているんですけど、それが顔を出してくるのが海底になるわけです。それが能登半島の北岸の断層帯という風になっているわけですけども、この本体が動くと津波が起きるということで、地震動だけじゃなくて津波による被害も同時に発生することになります。今回あまり津波という現象にならなくて若干の海面変動はあったわけですけど」

記者:「そうなると富山でもこれ以上の大きな揺れが?」

竹内章名誉教授:「緊急地震速報をみると、5日午後2時台の地震の場合はマグニチュード7を想定しているわけです。各地の予測震度も出ていて、富山県西部は震度5弱程度、あるいはそれ以上。東部は震度4以上ということになっていて、実際、富山の場合は西部は4で東部が3でした。若干想定のマグニチュード7ではなくて6.5だったわけで、若干目減りというか、そういう誤差もあると思いますが、こういうことが想定される地震なわけです。ですから今後も富山はこういう緊急地震速報で想定されている震度は覚悟する必要があるということなんです。これはいつも西部の方が大きいというわけではなくて、現に5日の夜の方の地震は、最大余震みたいなものですけど、逆に東部の方が大きかった。これは珠洲で今後も活動が続くと、5日よりももっと大きなマグニチュードの地震が起きるとすれば、富山もきのう程度ではなくてもう1段2段上の揺れを想定しておく必要がある」