少子化や教員の負担などを背景に、国が2023年度から進めているのが、公立中学校の休日の部活動を地域のクラブ活動に移す「部活動の地域移行」です。

この春から本格的に取り組みを始めた千曲市と坂城町の事例を通して、メリットと課題を考えます。

放課後、バスへ乗りこんだのは、千曲市の埴生中学校の野球部です。

部員は各学年一人ずつの合わせて3人。

2023年度から、週2回市内の中学校などと合同で練習していて、この日も市が用意したバスに乗って、ほかの中学へ足を運びます。

千曲市と隣の坂城町には中学が合わせて5校ありますが、1校単独でチームを作れない運動部が4つ。

サッカー部や柔道部が廃部になったところもあります。

埴生中野球部のキャプテン・寺澤孝純(たかすみ)さん。

合同チームを組むまでは、2人で練習するしかありませんでした。

【キャプテン・寺澤孝純さん】
「敷地とかもせまくなっちゃったし、練習も限られたことしかできなくなっちゃったので、そこはやっぱ辛かったですね」

少子化により学校ごとの部活が成立しづらくなり教員の負担軽減も求められる中、国が進めているのが「部活動の地域移行」。

千曲市と坂城町の教育委員会が主導して立ち上げたのが、千曲坂城クラブです。

子どもたちがスポーツをする機会を確保しようと、休日に他校と合同で練習できる場を設けるなどおととしから体制作りを進め、4月から活動を始めました。

【キャプテン・寺澤孝純さん】
「それまでふたりでできなかった練習もできるので、そこはやっぱすごいうれしいですね。平日も人数多い中で野球をするのが、僕にとってはすごい楽しいしうれしいことなので、できれば毎日更埴西中におじゃまさせてもらいたいなって感じですね」