■ 熟練の技が必要だった選果をAIで ”生産に専念”

「これが内部障害(腐敗)ですね」

消費者からのクレームが多く、びわ農家を悩ませているのが『内部腐敗』です。外見からは、ほぼ判別することができません。

これを解決するのが、びわの『スマート選果システム』です。
イチゴの自動選果機を開発したメーカーに協力を依頼し、"ほぼ100%内部障害を判別できる" 国内唯一のびわ選果機が完成。今年から本格的に稼働しました。


後田さん「ここは糖度と内部腐敗を測定します」

”近赤外光” を当てて、びわの糖度と内部を計測。
台に乗せると…ひとつづつの重さと糖度、ランクが表示されます。


判定結果は、並べられたびわ一粒ごとに投影され、これまで "熟練した生産者の感覚" で行われていた選果が、正確かつ簡単にできるようになりました。

選果作業する生産者「こんな風に出てくれるからですね。機械が選別してくれるから。
(住吉キャスター:慣れたら素人でもできますか?)できると思います。」

集荷場に導入されたこのシステムによって、これまで、各農家が神経を使いながら、自分たちで行っていた選果作業に時間をとられることなく、生産だけに専念することができるようになりました。

現在はまだ機械が少なく、このシステムによる「なつたより」の選果は全体の10%ほどですが、ゆくゆくは台数も増やしていきたいということです。

後田さん「このスマート専科システムを利用することで、省力化と、販売価格の向上にしっかりつながって、最終的には農家さんの所得の向上につながることが大事だと思っています」

森さん「スマート農業を使いながらですね、高品質な消費者の方に喜んでもらえるようなびわができればなという風に思います」

長崎のびわ栽培を存続させながら、より高品質なびわを提供できるように。
スマート農業の技術を取り入れた新しいびわ栽培が始まっています。