高橋大輔選手「僕自身、新たなスタートが始まる」

きのう(5月1日)インスタグラムで現役引退を発表した、フィギュアスケート・アイスダンスの高橋大輔選手(37・関大KFSC・岡山県倉敷市出身)と、村元哉中選手(30・関大KFSC)の記者会見が、きょう(2日)午後2時から東京都内で始まりました。

高橋選手は、会見の冒頭で「今シーズンを持って引退することを決断しました」と話し、引退報告から一夜明けた気持ちについて「僕自身としては新たなスタートが始まると思っています」と答えました。

右膝が限界を感じた 努力ではどうすることも出来なかった

引退の理由について「大きな要因は、右ひざが限界を感じたということで、競技レベルで練習を積んでいく中で、僕自身体がついていかない、努力ではどうしようもできない部分が出てきてしまった。そこを今シーズン感じてしまって、払しょくすることが出来なかった」と話しました。

なお引退を村元選手に伝えたのは、四大陸選手権の後だったということです。その後に行われた世界選手権について「最後はいいものにしたい、というプレッシャーがあったけど、最後のフリーでリフトを決めることが出来て、嬉しくて涙が出ました」と振り返りました。

今後も「かなだい」としてパフォーマンスを続けたい

今後の活動については、高橋選手は「かなちゃんが引退して、という選択をしてくれたので、僕自身は “かなだい” としてパフォーマンスを続けたいと思っているので、僕自身はスケートを軸にエンターテインメントに携わることは変わらないので、これからもやりたいこともあったりするので、いろんなことをしながら広げて行ったりとか、いろんな形でエンターテインメントに関わっていきたいなと思っています」と語りました。

また「“育成”もやりたいことの1つであって、ただ“競技者”を育成するのかは決めてはいなくて、シングルとアイスダンスを経験したので、これから出てくる子たちに提案できる要素は色々あると思うので、それを伝えていって、シングル・ペア・カップルをやってくれる子が増えたら嬉しいと思います」と話しました。

さらにアイスダンス競技については、「環境がないと集中して練習できない、特にカップル競技は日本ではまだまだといった部分で、海外に行くには資金がいるし、やりたくても出来ないし、その環境が整って来れば、競技人口が増えればもっと身近なものになるし、いろいろ変わっていかなければ世界と戦っていくのは難しいと思う」と述べました。

2回目の引退「今回は自分の中で本当にすっきりとやり切れた」

また、シングルの時に続いて2回目の引退については、「シングルの時はフェイドアウトして引退してしまってすっきりしないままの引退だったので、今回の引退は本当に次にやりたいことも明確にありますし、一度引退したからこそ心の準備できた。もう大丈夫、十分にやり切ったかなと、自分の中で本当ににすっきりやり切れたなと思います」

また今後のスケートの普及活動について問われた高橋選手は、「スケートの楽しさを伝えることは僕らじゃなくても、現役で頑張っている子たちやコーチの皆さんが伝えて下さっていると思うので、もしやるとしたら “カップルの楽しさ” を伝えられたらいいなと思っています。大変なこともたくさんあるけど、2人でやる楽しさが伝われば」

「それよりも“長くスケートをやるためにはどうすればいいか”、どっちかというとそれを伝えたくて、続けたいけど続けられない子が頑張れる環境を作れるようになる方が、いまはやりたいことです」と答えました。

スケート以外ではエンターテインメントでも「舞ちゃんもタンゴをやっていたし」

また「スケート以外にやりたいこと」について記者から問われ、「前に一度、お芝居とか歌とかやらせて頂いて、自分自身がやってみて世界観が楽しかったので、スケート以外でできるのなら、オファーがあればによりますけど、どんな役でもやってみたいとか、まずはそういうエンターテインメントの場をやってみたいです。浅田舞ちゃんがタンゴをやっていたみたいにフロアダンスもやってみたいですし、その時にやりたいなと思うことをやってみたいと思います」と笑顔で答えました。

最後にファンへのメッセージ

最後にファンへのメッセージを聞かれ、「僕は一度引退しているので、長いこと見て下さっているファンの方は、その時は不安もあったと思いますが、2度目の引退はすっきりしていますし、応援し続けて下さってすごく嬉しかったし、暖かく見守ってくれてたりとか心の大きいファンの方がいっぱいいらっしゃいますので、いろいろ突拍子もないことをして来ましたが、これからもびっくりして頂けると嬉しいですし、よく『ジェットコースターみたい』と言われるんですけど、そのジェットコースターに乗って頂けると嬉しいです」