フィギュアスケート・アイスダンスの“かなだい”こと村元哉中(30、関大KFSC)・高橋大輔(37、関大KFSC)組が2日、都内で引退会見を行った。会見は、格式張ったものではなく、フランクにいつも通り行いたいとの本人たちの希望から、着席せず立ったままの取材形式で行われた。

「本日はお忙しいなかお集まりいただき有り難うございます。村元哉中、高橋大輔は今シーズンをもって競技会から引退することを決断致しました」。時折笑顔を交え、高橋の挨拶で会見が始まった。

2人は、1日にインスタグラムのチームのアカウントに並んでコメントする動画を投稿し、今季限りでの引退を発表。村元は「言えたので少しすっきりしている、ではないんですけど、秘密にしなくてもいいので。一夜明けてまだ実感はないんですけどやっと、ついに競技生活を終えたんだと感じています」と心境を語った。

2020ー21年シーズンからカップルを組み、昨年の全日本選手権で初優勝。今年3月に行われた世界選手権では日本勢過去最高(2018年村元/クリス・リード組)に並ぶ、11位の成績を残した。

四大陸選手権のあと、高橋が村元に引退の意向を伝えたといい、すでに引退が決まっていたなかでの世界選手権となったが「いつも通りの形で挑みたい」と発表を先送り。その後も「色々やるうちにタイミングを逃して」このタイミングでの引退発表となった。

「僕自身の右膝が限界を感じた」と引退理由を明かした高橋。「競技レベルでパフォーマンスをするところで、練習を積んでいく、レベルをとる上での技術的な部分で、僕自身の努力ではどうしようも出来ないところに来てしまって。それ以上を求めてやっていきたいんですけどそこに体がついていかないというのが大きな理由」だといい「そこを今季感じてしまって、そのことを払拭することが出来なかった」と苦悩を明かした。

「結成当初からまずは2年スタート」と考えていたという村元。いつ高橋から引退を切り出されても覚悟を決めていたと言い、引退を伝えられた際も「あそっか、やっぱそうだよね」と驚きは無かった。「これ以上に最高のパートナーはいないなと感じていますし、まだまだ大ちゃんと色んな作品をつくりたい」と自身も一緒に引退することを決めた。

今後は「“かなだい”カップルとしてまだまだパフォーマンスをやっていきたいと思っていますし、個人としての高橋大輔としてもパフォーマンスをやっていきたい」と高橋。「色んな形でエンターテインメント界に携わっていきたい」と幅広い分野での活躍を目指す。

村元も「スケートしかしなかった人生なので他に何に興味があるのか、いろんな事に挑戦したい。村元哉中として、一表現者としてパフォーマンスをしていけたら」と笑顔を見せた。