国立の博物館などで子ども連れを優先する「こどもファスト・トラック」の設置が進んでいます。子連れに優しくないとも言われる日本の社会に変化は起きるのでしょうか。
東京・上野の国立科学博物館。入り口には「子連れ優先レーン」の文字。子どもやその家族が優先して入場できる「こどもファスト・トラック」で、きょう小倉こども政策担当大臣も視察に訪れました。
小倉将信こども政策担当大臣
「単に早く入れるだけじゃなくて、例えば子連れの皆さんへの割引をしてたりとか、ベビーカーを押す・置くスペースをちゃんと確保してくださったりとか、広い意味で『こどもファスト・トラック』の中に入ると思います」
この「こどもファスト・トラック」は、政府が異次元の少子化対策の一環として打ち出しました。
岸田総理
「社会全体の構造や意識を変え、『こどもまんなか社会』を実現するため、『こどもファスト・トラック』等の施策を多面的かつ積極的に展開する」
日本の子育てに対する意識を変えることが主眼だというのです。
実際に、子育て世帯に街で聞いてみると。
子育て中の女性(30代)
「私も恐竜博物館とか興味あるんですけど、やっぱり並ぶってなると行きづらいのがあるので」
「チョロチョロするから迷惑になっちゃいけないって常に思っているから気が抜けない。ぶつかったらどうしようとか、迷子になったらどうしようとか、常に気が張っていて不安」
一方、こんな意見も…
子育て中の女性(20代)
「子どもがいる世帯といない世帯の分断とかを生んでしまうのではないか。教育の一環としても、順番を守るというのは当たり前として(子どもに)思ってもらいたい」
子育て中の夫婦(30代)
「ファスト・トラックとかであっても、多分理解できない人は不平等感を感じるだけ」
「『何で子どもいるから優先にならないといけないの?』と」
政府の少子化対策をめぐっては、財源をどうするのかが課題ですが「こどもファスト・トラック」は比較的費用がかからず、社会の意識改革につながると期待する声があります。
総理に近い議員
「総理は『社会の空気を変えたい』と言っていますが、そういう時にはあまりお金をかけずに社会システムを変えたほうがいいんですよね」
政府はこの取り組みを今後、公共交通機関や商業施設などにも広げていく考えです。
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