愛媛県今治市出身のジャーナリスト長井健司さんの遺族が30日、長井さんがミャンマーでのデモを取材中に銃撃され亡くなった際、握りしめていたビデオカメラの返却を墓前に報告しました。

今治市内にある長井健司さんの墓を訪れた、長井さんの妹・小川典子さんは、墓前にビデオカメラとテープを供えると静かに手を合わせました。

ビデオカメラは2007年9月にミャンマーの反政府デモを取材していた長井さんが治安部隊に射殺された際、握りしめていたもので、中に入ったテープには、その直前までが記録されていました。

小川さんら遺族が、カメラの返却と事件の真相究明を求めていた中、ミャンマーの民主派ジャーナリスト集団がおととしにカメラを入手、16年越しの願いが届き、26日、小川さんに手渡されました。

(小川典子さん)
「ようやく墓前に供えることができたと報告した。真相究明を引き続きお願いしたいという気持ち以上に、兄はミャンマーの状況を懸念していると思うので、兄のことをきっかけにミャンマーについて関心を持ってもらいたい」

小川さんは5月、警察へ映像を提出し、長井さんが亡くなった経緯など事件の真相について、分析を進めてもらうということです。