マンションの建設現場の向かいにある焼き鳥店「かよう亭」。

30年以上この場所に店を構えていますが、近年、商売の「難しさ」を感じています。

(滝澤太郎(たきざわ・たろう)社長)
「権堂に来て買い物をするような場所ではなくなっている。需要がないので、やめていかれる方がたくさんいるし、やめていかれても新しい人が入って来ない。商売をやる街から住宅街になっていくのは必然であり、仕方がないんじゃないか」

この店では、商売が厳しい状況から、土地を売ってマンションの誘致を目指すことも検討しているといいます。

また、商店街の一角では現在、パチンコ店や飲食店などが入る建物の解体が進められていて、店の関係者や地元の人の間では、マンション建設の計画が取り沙汰されています。

(滝澤太郎社長)
「そういう(マンション)計画はいくつもあって、出ては消え、出ては消え、大きな開発で買ってもらうなりした方が気が楽だなという人が多いことは事実」

周辺では、この十数年の間にすでに複数のマンションが建設されています。

(周辺のマンションに暮らす人は)
「やっぱり便利ですよね。買い物も駅も近いし歩いて行ける」
「将来的に車なしでも生活が成り立つ。意外にうるさいこともないので、便利だなと思う」

理事長の市村さんは、今の状況を権堂の転機と捉え、新しい街の在り方を模索しています。

(市村信幸理事長)
「商業とマンションの住民が増えたことを合致していけるとよい。これからの再生の考え方が重要になってくる。マンションの低層はお店をつくるとか娯楽施設をつくるとか、いろいろな複合施設ができれば一番良い」

商売の街から暮らしと共存する街へ。

権堂は時代の流れと共に移り変わっていきます。