再び世界初の偉業を達成しました。岩手県奥州市の国立天文台水沢VLBI観測所の職員を含む研究チームは、ブラックホールの周りで発生する2つのガスの現象の同時撮影に成功したと発表しました。
今回、撮影に成功したのは、「降着円盤」と呼ばれるリング状に広がったブラックホールの中心に向かって吹き込むガスの塊と、「ジェット」と呼ばれるブラックホールの中心に吹き込むガスの流れです。
2つの現象の同時撮影は世界で初めてで、2019年に発表されたブラックホール撮影に続く快挙です。27日は国内外の100人以上が集まった研究チームで統括を務めた、国立天文台水沢VLBI観測所の秦和弘助教など、研究メンバー4人が会見し研究成果を発表しました。
今回のブラックホールは、地球から5500万光年の距離にあり、2018年に撮影された画像を5年もの歳月をかけて解析し、2つの現象が「降着円盤」と「ジェット」であることを証明しました。
(国立天文台水沢VLBI観測所 秦和弘 助教)
「予想よりもさらに良いデータ品質の画像が得られた。こんなに良い結果になるとは思ってなかったっていうのが、私自身は正直なところです」
研究チームは今後、動画でのブラックホールの撮影に挑む予定です。