今年岩手県内初のクマによる人身被害です。27日朝、八幡平市の山林で山菜採りをしていた70代の夫婦がクマに襲われました。ここ数日、クマの目撃も増えていて行政が対応に追われています。

 八幡平市野駄の山林でクマに襲われたのは、市内に住む平野正さん(75)と初代さん(70)の夫婦です。
 2人は山菜採りのため山に入り、午前8時半ごろ「クマに襲われけがをした」と消防に通報しました。襲ったのは成獣のクマとみられています。
 2人は顔や手をひっかかれ血を流すなどしていて、ヘリで病院に運ばれましたが意識はあり、命に別状はないということです。
 岩手県内で人がクマに襲われる被害が確認されるのは今年に入り初めてです。2人が襲われた山林では、地元の猟友会のメンバーがパトロールを行っています。

 一方、クマに小屋が壊されるなどの被害が相次いている紫波町では、27日午前6時ごろ、町の職員などが被害が相次いでいる佐比内地区の草むらにわなを設置しました。
 わなは長さおよそ2メートル、直径60センチほどのクマの捕獲専用のものです。
 26日未明にクマに小屋の壁を壊された菊池一政さんは、自身で電気柵を設置し対策を施していました。

(菊池一政さん)
「音がしたなと思って熟睡できない。(わなが設置されて)いくらかはいいかな。(わなに)入ってくれればいい」

 県内ではクマの目撃が増えていて、自治体や警察が注意を呼びかけています。