―――政府はこれまでに58人の日本人とその家族が退避したと発表し、うち45人の退避経路がわかってきました。首都ハルツームから陸路車両で、ポートスーダンに自衛隊の護衛なしで向かい、ポートスーダンで自衛隊と合流して、日本時間の24日深夜、C2輸送機で、自衛隊の拠点があるジプチに向かい、25日未明に到着したと。

軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんに聞きます。「邦人の退避の作戦はうまくいった、成功した、といえるでしょうか?」

黒井文太郎氏: そうですね。アメリカやサウジアラビア、ヨルダンなどもっと早くできたところもありますが、他の国々と日本はほぼ同じぐらいのタイミングでできたと思います。

―――黒井さんによると、今回の邦人退避は、今までと比べて「特有の状況にあった」と。一つはスーダンの国際空港が首都の中心部にあり、そこでも戦闘があったこと。もう一つは停戦していたものの、停戦があてにならないことですが。ハルツーム国際空港は首都にあり、本来なら自衛隊はこの空港を使いたかったということですが。

 自衛隊に限らずいろんな国が使いたかったのですが、空爆・爆撃されたりして、先に退避できたアメリカも、大使館に直接ヘリコプター乗り付けてそこから運ぶようなことをしていました。日本は、ポートスーダンが戦闘地域ではなく、安全ですからそちらに行って、日本だけじゃなく、ほとんどの外国人の方がやはりポートスーダンまで陸路で逃げてきたということです。

―――停戦があてにならない、とは、何が起きているのでしょう。

 軍事政権トップナンバー1と別の民兵組織を率いているナンバー2の主導権の争いで、長い間の確執があって今までも停戦の合意あったのですが、それが守られてこなかったということです。