富山県高岡市のプールで水泳教室の5歳の男の子が死亡した事故で、当時、プールサイドにいたコーチが、監視カメラに映った男の子が溺れるまでの一部始終を証言しました。体につけた浮き具がはずれ、男の子が“慌てる様子”も映っていたということです。
事故が起きたのは今月22日、富山県高岡市木津の「オーパスフィットネスクラブ高岡」で、水泳教室に参加していた保育園児で5歳の笠谷拓杜(ひろと)ちゃんがプールで溺れて死亡したものです。

当時、プールでは3人のコーチが監視をしていましたが、このうちの1人が監視カメラに記録されていた溺れるまでの詳細を証言しました。

拓杜ちゃんは、近くのジャグジーに入ったあとプールに向かい、コーチの1人に声をかけます。
当時現場にいたコーチ:「おそらく“入っていい?”みたいな感じのことを(聞いた)。それで(コーチは)“いいよ”というような感じだと思う」
拓杜ちゃんはプールに入ると、すぐ足が届くように置かれた60センチの赤い台の上に着地します。

記者:「台に子ども2人がいたので、狭かったのでうまく乗れなかった?」
当時現場にいたコーチ:「いや、たぶん違います。普通に入って、本人がそこから深いところにちょっと練習してみようかな、みたいな感じで泳いでみたんです。そしたらヘルパーがとれちゃって、そこからちょっと慌てちゃった感じ」
記者:「これまでの話と結構違いますね」
当時現場にいたコーチ:「ちょっと(監視カメラを)何回も見返しているうちに、ちょっとそれは、そんなような感じがします」

拓杜ちゃんが赤い台の上に乗ったとき、コーチの1人が近くにいました。しかし、まもなくコーチはその場を離れたといいます。そして、拓杜ちゃんが赤い台から降りて泳ごうとしたところ、ヘルパーがはずれてしまいます。
そのとき拓杜ちゃんは“慌てる様子”だったといいます。

直前にコーチが離れたことについては?
当時現場にいたコーチ:「ヘルパーがついている子を見るべきだったけど、ほかの遊んでいる子とか、いろいろやっていることに目を奪われてしまったと。赤い台の上に立っていたので、そこまで(安全上)問題はないと判断したんだと思う。(拓杜ちゃんの)級的にもまったくできない子じゃないというか、なおさらもしかしたら大丈夫だろうと思ったのかもしれない」
体からはずれたヘルパーのひもは、直前にコーチの1人が結んでいたということです。
当時現場にいたコーチ:「普段の練習通り結んだといっているので、それは緩くはなかったといっていたので、だから本当に不可解なのが、どうしてとれちゃったんだろうというのがわからない」
拓杜ちゃんの父親は25日、私たちの取材に「もう二度と子どもが亡くなる事故は起きてほしくない」と話しました。
