◆世の中が一色に染まる時「私は染まりたくない」と思うこと


三者三様にいろいろ語ったんですが、やはり結局、少数派の方の小さい声をきちんと取り上げることがドキュメンタリーの大きな役割だと今回思いました。


金平さん:僕らが果たすべき役割とは何だろう? 世の中が一色に染まる時に、「私は染まりたくない」とつい思ってしまうんです。そういった人たちの声を拾い上げたい。少数者の声を取り上げていると、「なんだ、お前?」って言われるときもあるんだけど、そこが僕らの果たすべき役割なんじゃないか。

臼井さんも吉崎さんも私も「みんな一緒だな」と感じました。そして、「一色に染まりたくない」「忖度もしない」ことが、ドキュメンタリーでは本当に重要だと痛感したイベントでした。


神戸金史(かんべ・かねぶみ) 
1967年、群馬県生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。東京報道部時代に「やまゆり園」障害者殺傷事件を取材してラジオドキュメンタリー『SCRATCH 差別と平成』(2019年)やテレビ『イントレランスの時代』(2020年)を制作した。