「普通に人に語りかけるように書けばいい」

番組ではチャットGPTを既に活用している企業を取材した。『ランサーズ』はIT業者と人材のマッチングをサポートする企業だ。ここでは膨大な求人情報を読み込み、キーワードを抽出、まとめる作業にチャットGPTを使う。社員が1件に5分かかっていた作業をチャットGPTは10秒で100件処理。作業効率は圧倒的に向上したという。経営幹部によれば、チャットGPTの精度が上がれば、人材は少数精鋭に絞れ、効率的と語る。

一方、仕事を奪われるかもしれない社員も「仕事を奪われるというより、自分のタスクの量を増やせる相棒になったと思う」「人間にしかできないところがある、あくまで補うための良いツールという立ち位置」と、今のところチャットGPTと人間の関係は良好だ。

この企業が利用しているような膨大なデータを簡潔にまとめる作業はAIの世界では新しくもなく、正確性も十分磨かれているという。ではチャットGPTはどこが優れているのだろう?

国立情報研究所 新井紀子教授
「今までは“こういう作業をさせよう”と思うと、AIが“そういう作業”をするようにデータやフォーマットを打ち込まなければならなかった。面倒くさい。それがチャットGPTは“岸田総理について教えてください”とか“小話をしてください”とか、・・・“プログラミングしてください”とか…。(人間に頼むように)お願いしたことにチューニングしてくれる。インターフェイスとして優れている」

慶応義塾大学 栗原聡教授
「とにかく“聞き方が簡単”なんです。上司が部下に“これ書き出しといて”っていうように打ち込めばいいんです。つまり人間に頼むのと同じにすればいい。(中略)普通に人に語りかけるように書けばいい。」

確かにこれは便利だ。従来はPCに何か作業をさせる場合、それをさせるプログラミングが一番大変だった。しかし、これだけ便利で優れていれば、当然悪用する輩が出てくるに違いない。