インフレで下がるお金の価値 20年後には“3割”目減り

喜入キャスター:
今どういう状況なのかと言いますと、4月21日に、2022年度平均の全国の消費者物価指数が発表されました。前の2021年度に比べて、3.0%上昇しました。これは41年ぶりの上昇幅です。

どういうことかといいますと、モノの値段が上がり、お金の価値が下がるということを意味しています。例えば物価が2%ずつ上がり続けたら、現在1000万円だとしても、20年後にはその価値が673万円に下がってしまうということになります。100万円だったら67万円に。
山本キャスター:
自分の貯金の価値っていうのが、これから下がっていく可能性もあるということですよね。
経済ジャーナリスト 後藤達也 氏:
例えばドルを持っておく、アメリカ株を買うなどをやっておけば、円安が進んだときであっても、物を買える力を保てるかもしれないというところがあるわけです。
山本キャスター:
なかなか初心者には難しいと思ってしまうところもあると思います。
経済ジャーナリスト 後藤達也 氏:
今ちょうど政府がNISAの拡充とか、いろいろ促進していますが、NISAはその入口の一つとしてやりやすい仕組みだと思います。それほど難しい仕組みではなくて、いわば投資を進めようと、政府のキャンペーンのような形でやってるようなものなんですよね。仕組みはかなりわかりやすくなり、税金の面でかなり優遇されてたりしているので、20代、30代の方で始められる方はとりあえずNISAをやってみているという方は多くなってるかと思います。
政府が掲げる“貯蓄から投資へ”

喜入キャスター:
NISAという言葉が出てきましたけど、政府が打ち出している資産所得倍増プランがあります。NISAの拡充が柱で、NISAというのは少額投資非課税制度といいますが、どんなメリット・デメリットがありますか?
経済ジャーナリスト 後藤達也 氏:
通常、例えば100万円で買った株が120万円になったりすると、この儲かった20万円のところに税金がかかってしまう。ですがNISAだと、儲かった20万円に税金をかけません、なのでかなりお得な形なので投資してみてください、という形で政府が国民の後押しをしてるような仕組みということです。
山本キャスター:
最初に始めるには、NISAがやっぱり始めやすいのかもしれないんですけど、私は積立NISAの口座を開設しようと思ったんです。でも、そこでちょっとつまずいちゃったところもあったりしたんです。
経済ジャーナリスト 後藤達也 氏:
何につまづきましたか?
山本キャスター:
ちょっと手続きが難しいなって思っちゃったんですよ。やっぱり乗り越えないといけない壁ですか?
経済ジャーナリスト 後藤達也 氏:
手続きは確かに少し面倒と感じるかもしれないですけどね。でも喜入さん、かなりやってらっしゃるんですよね?
喜入キャスター:
私はそういうのが好きというか、あれこれ手を出して、今の自分の立ち位置がわからないし、資産形成の”その先”って何ですか?ゴールが資産形成なのか、その先使うシーンって一体あるのかなと。
経済ジャーナリスト 後藤達也 氏:
一つは、人生100年時代と言われていて、60歳過ぎても長く生きる。良くも悪くも数十年消費することが起こりうるので、たくさんお金持っておいた方がいいというところがありますよね。そのためにも円安でインフレになる可能性もあるので、資産形成しておくということが一つ大事かなと思います。
もう一つは、実際に投資を始めていくと、いろんなニュースがどんどん頭の中にすっと入ってくるところがあると思うんですよね。例えばウクライナ戦争にしても、それをきっかけに小麦の価格がすごく上がり、パンを買う値段が上がってしまって、その結果株価には影響するみたいに、いろんなものが繋がってくることが出てくるので、実際投資をしているといろんなニュースが自分事として入ってくるようなところもあったりするので、世の中が繋がっていく面白さみたいなものもあるかと思います。
山本キャスター:
経済・金融のニュースはどうしても関心がないと他人事というか、ちょっと難しい。結構、業界用語みたいなものも多いですし、とっつきにくいと思うけれども、ちょっと足を踏み入れてみると、自分事として捉えることができる。
経済ジャーナリスト 後藤達也 氏:
そういう知識が広がってくると、単に一般教養というだけではなく、自分自身のキャリアを考えるときや、場合によっては例えば転職するときにどういう仕事に就くのがいいんだろうかと考えるときの、土壌のようになってくるところもあると思うので、単にお金を増やすということだけではなく、いろんなメリットがあると思います。