石川・白山市の山田憲昭市長の死去にともなう、新しい市長を選ぶ選挙が23日投開票を迎えます。白山市長選挙には届け出順に、いずれも無所属で新人の中川武夫候補(77)、吉﨑吉規候補(74)、田村敏和候補(66)の3人が立候補しています。立候補の表明から短期期決戦となった今回の戦い、終盤を迎え舌戦も熱を帯びています。
現職の山田憲昭市長が3月10日に急逝し、不在となった市長の椅子。山田市政の継承を訴え、出馬したのは3人の候補者でした。
▼元金沢工業大学教授の中川武夫候補
自身が貧困に苦しんだ経験から、高齢者や障害者など社会的弱者への支援を重点に置いた政策の実現を訴えます。このほか、白山の世界遺産登録、白山市立大学の創設、バス路線の拡充などを掲げる中川候補。電話での訴えや選挙カーでの街頭活動に力を注いできました。
▼元県議会議長の吉﨑吉規候補
人口減少や空き家問題の解消、そして市独自の子育て支援を公約に掲げ、これまでに旧松任市議と県議を務めた政治経験を武器に即戦力をアピールします。無党派層にも訴えを浸透させ、いわゆる浮動票を取り込みたい吉﨑陣営。市民1人ひとりのもとを訪れ時間をかけて語りかけます。
▼自民党白山市連合支部などが推薦する田村敏和候補
教育長として2年間、山田市政の運営に携わった経験を生かし、教育現場の環境整備や災害対応に強い行政の組織作りを進めていきたいと訴えます。自民党の組織力を追い風に支持拡大に奔走する一方、陣営関係者は短期決戦がゆえの知名度不足に危機感をあらわにします。
豊かな自然環境を売りに白山手取川ジオパークのユネスコ世界認定を控える一方、石川県内で最も広い自治体であるがゆえの公共交通網の維持などに課題が残る白山市。県内で金沢市に次ぐ人口規模の白山市の未来を誰に託すか、有権者の審判が下されようとしています。