山形県米沢市の障がいのある人が働くパン店が、コロナ禍で経済的に苦しむ学生を支援しようと、無料でパンを配る活動を、毎月、続けてきました。
今月の活動日だった20日は、特別な一日になったようです。

山形県米沢市にある、「ベーカリー&カフェアンスリール」です。


障がいのある人の就労支援に取り組むNPO法人が8年前にオープンしたもので、現在、市内の8人が通っています。


カウンターを丁寧に拭いて…


接客も、お手の物です。


ベーカリー&カフェアンスリール菅野友美店長「地域の方とも交流しながら生きがいを持って活動できるような施設を目指しています」

作業の様子をのぞいてみると…

菅野友美店長「いつもはもうちょっと皆さん賑やかなんですけど、きょうは緊張しているのかな?」

見慣れないテレビカメラのおかげで、緊張気味だったようです。

宮下敏徳さん「みんな優しいし楽しいし明るく楽しく働いてます」

佐藤杏奈さん「おしゃべりするのが楽しいです」

近所に住む人「一生懸命真面目にしてるから、えらいなと思ってるんですよ。話しかけるとちゃんと挨拶してくれるし」

地域の憩いの場としても親しまれているパン店。

1年ほど前からは、近くにある県立米沢栄養大学に、無料でパンを届ける取り組みを行っています。

菅野友美店長「コロナ禍で大学生のみなさんアルバイトができなかったりとか両親からの仕送りが少なくなってしまったということで施設全体で取り組み始めた活動になります」

経済的に苦しむ学生を助けたい、そんな思いで続けてきた活動ですが、実は・・・

桃園洋子さん「きょうが最後の日です。一生懸命がんばっています」

コロナ禍の落ち着きもあり、およそ1年に渡る取り組みも、20日で最終日を迎えました。

利用者が、200個もの牛乳パンを、一つひとつ、丁寧に袋詰めし・・・準備万端、さっそく大学に届けます。

「これからもがんばってください」

最終日、寂しさがこみ上げてくるかと思いきや・・・この笑顔。

楽しみながら取り組んでいることがしっかりと伝わってきます。

パンを配り始めると、すぐに行列ができ、学生たちも利用者との交流が終わることに名残惜しさを感じているようでした。

学生「今までずっとありがたかったので終わってしまうのは寂しいです」

学生「本音を言ってしまえば寂しくて、終わってほしくないという気持ちはあるんですけれど、学生とアンスリールさんとのつながりも含めて、本当に感謝しかないです」

アンスリールの菅野店長は、この一年は、利用者にとっても大きな意味があったと話します。

菅野友美店長「大学生に喜んでいただけて何よりですし、障がいを持つ方の社会参加の場になって、大変いい機会になったなと感じております」

そして、原動力となっていたのが。

菅野友美店長「毎月お手紙をいただいたりだとか温かいお言葉いただいて励みになって、やりがいを感じて取り組めたと思います」

コロナ禍で出来た、つながり。

笑顔で働く利用者たちは、いつの間にか、地域を元気にする源になっていたようでした。