■バレーボール女子2022-23V・ファイナル(22日、東京・国立代々木競技場 第一体育館)
レギュラーラウンド1位の東レアローズと同4位でプレーオフを勝ち抜き決勝進出を決めたNECとの一戦はNECが3‐2で東レを下し、6年ぶり7度目の優勝に輝いた。
約6000人の観客が声援を送る中、第1セット。立ち上がりは日本代表でもキャプテンを務めるNEC古賀紗理那(26)がスパイクを決めると流れは一気にNECに。今季サーブ賞を受賞している古賀がファイナルの舞台でもサービスエースを決めるとNECは一気に5連続ポイント。リオ・東京五輪出場の島村春世(31)も要所で高速ブロードを決め流れを東レに渡さない。
一方の東レは二枚看板エース石川真佑(22)とクランヤナ(35)にボールをあつめ得点を量産。一時は5点あった点差を19-20と1点差まで詰め寄る。最後はNECが途中出場の山田二千華(23)で23-25と1セット目を先取した。
第2セットは終始NECがリードする展開。ここぞという場面で古賀がバックアタックなどで得点を重ねつつ 島村、 山内美咲(28)が躍動し攻撃の的を絞らせなかった。さらにアメリカ代表 ウィルハイト サラ(27)のブロックで東レのエース石川を2連続でシャットアウト。最後もサラのブロックポイントで14-25でNECが連取した。
後がなくなった東レは第3セット。元日本代表 黒後愛(24)をスタートで起用。石川のスパイクで6-6と同点にすると、セッター関菜々巳(23)がサービスエースを決め、この試合初めて東レがリードする展開になった。ミドルブロッカー 小川愛里奈(24)は、このセット4得点と存在感を発揮。セッター関も強気なトスワークで攻撃のリズムを作り、最後は東レが4連続ポイントでこのセットを奪い返した。
一進一退の攻防が続いた第4セット。先に流れを掴んだのはNEC。リベロ小島満菜美(28)の献身的なレシーブにアタッカー陣が応えるとエース古賀が高速バックアタックを決めるなど14-17とNECがリードを広げた。負けたら終わりの状況でエース石川が獅子奮迅の活躍。自らレシーブして打つなど持ち前の速さと力強さを発揮し、このセットだけで10得点。第4セットをものにした。
このセットを取ったほうが優勝という運命の第5セット。5点目から互いに点を奪い合うサイドアウトの応酬が続く。NEC12-13東レの場面で東レの大﨑琴未(22)がブロックを決め、連続ポイント。12‐14でついに東レが優勝に王手となるマッチポイントを掴む。
しかしNECがここまで両チームトップの33得点の石川の攻撃を封じ、怒涛の3連続ポイントで逆にマッチポイントを掴むと最後も石川のスパイクを山内がブロックしNECがフルセットの激闘を制し6年ぶり7度目の頂点に立った。
試合後の会見で古賀は「マッチポイントを握られたけど、攻めるとか守るということでシーズン通してできて今日もそれが出せたのが勝因だと思う」と振り返った。MVP受賞については「チームが勝たなければこの賞はいただけなかたっと思いますしチームプレーを大切にして組織力を大切にしているので、チームを代表してこの賞をいただきました」と話し「私達のチーム力は誇りに思う」と優勝を喜んだ。
【スタ―ティングメンバー】
東レ(クラン ヤナ、野呂、大﨑、石川、関、小川、リベロ中島)
NEC(古賀、山内、上野、サラ、澤田、島村、リベロ小島)
東レ 2‐3 NEC(23‐25,14‐25,25‐20,25-22,14-16)
MVP:古賀紗理那(NEC)
敢闘賞:石川真佑(東レ)
ベスト6 古賀紗理那(NEC)
石川真佑(東レ)
カッティーノ(トヨタ車体)
荒木彩花(久光)
サンティアゴ(埼玉上尾)
澤田由佳(NEC)
ベストリベロ 西村弥菜美(久光)
レシーブ賞 小島満菜美(NEC)
最優秀新人賞 中島咲愛(久光)
試合前にVリーグ栄誉賞の授賞式が行われ、Vリーグ通算230試合を達成した山岸あかね(32・埼玉上尾)、鍋谷友理枝(29・PFU)が表彰された。