石本さんを先頭にいよいよ神輿が動く

 そして、すっかり暗くなった午後7時。

 (石本幸伸さん)「よっしゃー!」

 石本さんを先頭に男たちが山へと駆け上がります。
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 家族みなそれぞれが見守る中、ついに神輿が動きます。40人の駕輿丁(かよちょう)たちが担ぐ神輿を引っ張る石本さん。大きな声で鼓舞します。心配された肩車にもしっかり担がれながら順調に進んでいきます。

 そして、多くの観客が待ち構える最後の見せ場に差し掛かろうとしたその時…。
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 (神輿を支える人たち)
 「待て待て待て!鼻が倒れる!」
 「こらえろ!踏ん張れ踏ん張れ踏ん張れ!」

 ここまでの疲労からか神輿が倒れてしまいました。
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 それでも必死の鼓舞が通じたのか、無事に麓まで帰ってきた神輿。石本さんは見事、大役を全うしました。
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 (石本幸伸さん)
 「いやもう必死のパッチで一瞬でしたね。想像してもあれはわからないですね。めっちゃ気持ちよかったです。こんなこと二度とないでしょうね」

 一生に一度の神事の鼻。それは祭りを愛する男にだけ許されたプレゼントなのかもしれません。