温泉の主力源泉の温度低下やお湯の量の減少などによって、宿泊施設などに影響が出ていた青森県弘前市の嶽(だけ)温泉郷。別の源泉の整備が進められ、休業していたホテルが3か月半ぶりに営業を再開。関係者から安堵の声が聞かれる一方、主力源泉には課題が残っています。

※嶽ホテル 萢中るみ子女将
「うちだけが温泉の温度が上がらなくて量も少なくて再開できない状態だったので本当にもどかしい思いで毎日過ごしていました」

岩木山の麓にある嶽温泉郷。そのうちのひとつ、嶽ホテルです。18日に約3か月半ぶりに営業を再開しました。2022年12月、温泉郷ではお湯を供給する源泉の温度が通常の80℃から50℃前後にまで低下、お湯の量も5分の1にまで減少する事態に見舞われました。6つあるホテルや旅館のうち1つは廃業、そのほかも休業が続いていました。

3月中旬には気温があがり、お湯の温度が戻ってきたため、一部の施設で営業を再開していましたが、嶽ホテルは源泉から最も離れた場所にあり、引き込まれるまでに温度が下がってしまうため営業を見合わせていました。こうした状況を受けて嶽温泉旅館組合は、いつもの年であれば夏場から使う別の源泉を2か月前倒しで整備を進めてきました。

※嶽温泉旅館組合 小嶋庸平代表
「ようやく一番源泉から距離がある嶽ホテルが再開できたということでとりあえずホッとしていますこれでみんなで頑張っていけるなと人心地ついた感じ」
※嶽ホテル 萢中るみ子女将
「とりあえず安堵。本当にこの日を待っていたのでいまは安心しています」

安堵の声の一方で、主力の源泉は温度が低い状態が続いています。この先、通年での営業に向けて課題が残る中、嶽温泉旅館組合では新たな源泉を掘削するため、クラウドファンディングで資金を募ることを検討するほか、市に対して支援を求めるなど対応を模索しています。