しかし松永さんの願いとは裏腹に、高齢ドライバーによる深刻な事故が後を絶ちません。

2021年の11月、大阪府で89歳の男性が運転する車がスーパーに突っ込み、3人が死傷。
2022年の11月には福島市で、97歳男性の車が3台の車に衝突し、5人が死傷しました。
2022年、75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は379件にのぼっています。
「免許を返納しても安心して生きていける社会を」

松永拓也さん
「私たちのような若い世代も必ず年を取るんですよ。いつか高齢者になります。『(一律に)返納させろ』ではなく、安心して免許返納しても生きていける社会をつくること。これが大事だと思っています」
「真菜と莉子の命は私にとって、本当に大切でかけがえのないものでした。でもこの4年間で気づいたのは、この世に生きる全ての人々の命は、真菜と莉子と同じように尊い。だから皆さまの命が交通事故によってなくならないように、安全運転、交通ルールを守って日々この交通社会を過ごしていただきたい」
小川彩佳キャスター:
私も2021年、松永さんに事故現場でお話を伺いました。松永さんが「こうならない未来ってなかったのかな」と言葉を漏らしていらしたのが非常に強く心に残っています。

山本恵里伽キャスター:
65歳以上の高齢者で運転免許を返納した人の数を見てみると、事故が起きた2019年は57万5000件以上でしたが、どんどん減って2022年は、42万8000件ほどになっている。人数自体が減っています。
また2022年5月には、一定の違反歴のある75歳以上の高齢ドライバーを対象として、免許更新時の運転技能検査、いわゆる“実車試験”が義務化されました。
小川キャスター:
松永さんはこうもおっしゃっていました。「一歩外に出たら誰しもが交通社会に生きている当事者なんだ」と。
一度事故を起こしてしまったら、一瞬で誰かの人生も、その誰かを愛する人の人生も、そして自分自身の人生も根こそぎ変えてしまうんだと。そうした意識を改めて強く持ちたいと感じます。














