「こんなこと起きてはいけない、命は尊いから」…高齢ドライバーによる事故で、妻と娘を亡くした松永拓也さん。事故からちょうど4年となった19日、現場で手をあわせました。後を絶たない高齢ドライバーによる深刻な交通事故。松永さんは「免許を返納しても安心して生きていける社会を」と訴えています。
「命は尊い」“池袋暴走事故”から4年…事故の再発防止を改めて訴え

2019年4月19日、午後0時23分。
松永拓也さんは、当時87歳の高齢ドライバーが引き起こした事故によって、妻の真菜さんと娘の莉子ちゃんを失いました。

松永拓也さん
「莉子が生まれたときに、松永莉子という命を誕生する瞬間を私はこの目で見て、事故の日に、松永莉子という一人の娘の人生が終わる瞬間を見て、だからこそ交通事故の理不尽さ、悲惨さ、無残さ、そこに怒りを感じる。こんなことは起きてはいけない。命は尊いから」

11人が死傷した“池袋暴走事故”。
「あの日」から仲間と共に、交通事故の再発防止に向けた活動などを続けています。
2022年12月。奈良を訪れた松永さんは、事故についての講演を行いました。

関東交通犯罪遺族の会 松永拓也 副代表理事
「3人で本当にいろんなところに出かけました。春は花見をして、夏はお祭りに行ったり海に行ったり、秋は紅葉を見に行ったり」
「漠然と3人での人生がずっと続いていくんだろうと純粋に思っていました」
これまで何度も講演をしてきた松永さんですが、交通事故などの遺族や関係者だけではなく、公の場で一般の人に向けて話すのはこれが初めてだったそうです。
松永拓也 副代表理事
「今回の事故での妻と娘のような被害者と、私のような悲しむ遺族を今後絶対に出してはいけないと思いました。交通事故はテレビの向こう側の話で、当然かわいそうだなと思うんですけど、かわいそうで終わるのではなく、かわいそうな立場の人を生まないためにも、交通安全意識を遵守していただければありがたいなと思います」