免許返納はどこまで進んでいる?

免許返納については、今日本はどこまで進んでいるんでしょうか。75歳以上のドライバーの免許返納件数について、2019年の池袋暴走事故が起きたときは、35万件を超えました。
その後少し下がって
▼2020年 29万7452件
▼2021年 27万8785件
▼2022年 27万3206件
山梨大学 大学院の伊藤安海教授に話を伺いますと、免許返納件数が減少したことについては、地元商店が閉店するなど、遠くの商業施設に行く必要が増えたため。バス・電車の本数が減ってしまったこと。
75歳以上の方に、"どんどん免許を返納してほしい、ご高齢の方お願いします"と言っているだけではなく、整備環境を行っていかないと、ご高齢世帯の皆さんも免許を返納したくても、生活のために免許が必要なんだというジレンマに陥ってしまうということがわかります。

また「運転に自信はありますか」という質問に、年代でどういう差が出るのかというデータがあります。
「自身がある」と答えた方は、20代は39.3%、30~50代は46%、70代後半は62.7%、80歳以上は72%と、やはりベテランドライバーになればなるほど、「自信がある」と答える方が増える現状もあるわけです。
ホラン千秋キャスター:
運転の期間であったり、経験が長ければ長いほど、それだけ経験も積んだし大丈夫だという自信に繋がるというのも理解できますし、免許返納しても安心して暮らしていける社会にしなくてはならない。
東京にいると、公共交通機関が大変発展してますので、車がなくても生活できますが、そうでない地域の場合、車が本当に生命線なんだよという方もいらっしゃいますので、社会全体として、どう考えていくかですよね。

オンライン直売所「食べチョク」 秋元里奈代表:
地方に行けば行くほど、どうしても買い物難民も今増えてますし、買い物するために車が必要というのは、どうしてもなくならないニーズとしてはあるわけですけれども、ドライバーの方が経験を積んでいても、高齢になって、注意力が下がっていったりとか、体力的にも下がってしまうというのを、理解していかないといけないと思います。
最近だと運転のスコアがついて保険料が変わったりするという仕組みも出てきていますが、自分の運転というのが、どれくらい危険なのかというのを、客観的な指標で出して理解するというのも進んできているので、そういうのがより実装されていくといいのかなと思います。
井上キャスター:
各自治体でも、相乗りタクシーを増やしていったり、あと長野などでも歩道を走れるスクーターを実用化しようとしている。歩行者と同じ扱いでスクーターに乗れば免許返納に繋がるんじゃないか。そういった自治体の動きも進んではいるんですけどね。