現場となった和歌山市の雑賀崎漁港近くの海。警察は、きょう午前10時ごろから海中に潜り、爆発した筒の部品などを捜索しました。

岸田総理に向かって爆発物を投げたとして逮捕された木村隆二容疑者(24)は、警察の取り調べに対し、依然、黙秘を続けていますが、一方で、選挙制度に強い不満を持っていたとみられることが新たに分かりました。

大串正樹 デジタル副大臣
「(木村容疑者とみられる男は)自分が(選挙に)出られないのは憲法違反ではないかと主張されていた」

今月15日、和歌山市内の雑賀崎漁港で岸田総理に向かって爆発物を投げたとして逮捕された木村隆二容疑者。警察の捜査で、現場で爆発した筒はおよそ40メートル飛んでいたということです。

一方、木村容疑者は選挙制度に強い不満を持っていたとみられ、国を相手取り、提訴していたことが分かりました。

裁判記録によりますと、木村容疑者は去年7月の参院選で、立候補できる30歳に達しておらず、また、供託金300万円が用意できなかったため、立候補できませんでした。これを受け、木村容疑者は国に10万円の損害賠償を求めて、去年6月、神戸地裁に訴えを起こしていました。木村容疑者の主張は…

木村容疑者
「年齢の要件は、何ら理由がなく、原告が社会的経験に基づく思慮が十分ではなく、その分別を有しないとされる差別である」

弁護士を付けない「本人訴訟」で争った木村容疑者。神戸地裁は去年11月、訴えを退けましたが、木村容疑者は大阪高裁に控訴しました。控訴の理由の中にも、選挙制度への強い不満が現れている記述が。

木村容疑者
「既存政治家は国民の信任を経ずとも(旧)統一教会の組織票で当選し、利益を不当に独占し、国民に損害を与え続けている」

去年9月、木村容疑者とみられる男は、大串デジタル副大臣にも接触し、被選挙権の引き下げを求めていました。

大串正樹 デジタル副大臣
「選挙に出る上で被選挙権を自分がもっていないと。国会議員であれば、そこは法改正するべきではないかと」

警察は木村容疑者の動機などについて詳しく調べています。