今回のG7外相会合で大きな焦点となったのが「グローバルサウス」をめぐる中国やロシアとの綱引きです。
林芳正 外務大臣
「グローバルサウスと呼ばれる新興国・発展途上国がさまざまな課題に直面している中で、我々はG7が彼らと協力して問題を解決する準備ができていることを示したい」
今回のG7外相会合で議論の中心の一つとなった「グローバルサウス」。南半球を中心とした新興国や途上国のことで、今、国際的に存在感が高まっています。
その要因が、ロシアによるウクライナ侵攻。「グローバルサウス」には、G7各国とロシアとの間で中間的な立場をとる国が多く、対ロシア制裁にも加わらない国がほとんどです。
今年2月、国連で行われたロシア軍の無条件の即時撤退などを求める決議案では、グローバルサウスを中心に7か国が反対、32か国が棄権しました。
【棄権】南アフリカ
「外交と対話が、持続可能で平和的な方法で紛争を解決する唯一の道です」
今年1月には…
インド モディ首相
「人類の4分の3はグローバルサウスの住人です。我々は新たな秩序を形作るよう努めるべきです」
インド政府の呼びかけでグローバルサウスのサミットが開かれ、125か国が参加。「第三極」としての存在感を急速に高めています。
さらに、経済成長を続ける中国もグローバルサウスへの影響力を強めています。力による現状変更の動きを見せるロシアや中国に対抗するため、G7としてもグローバルサウスとの関係強化が欠かせなくなっているのです。
G7外相会合を終え、きょう議長国会見を開いた林外務大臣は…
林芳正 外務大臣
「グローバルサウスと呼ばれる国々を含む国際社会全体が、この主権および領土一体性の尊重といった国際秩序の根幹となる原則を守るべきという認識を共有すべく、一層働きかけを行っていくということなどを確認した」
来月のG7広島サミットにはインドも参加する予定で、「グローバルサウス」への対応が再び大きな焦点となります。
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