アメリカ軍岩国基地を一般に開放する日米親善デーが15日4年ぶりに開かれました。
雨の中での開催でしたが、6万2000人でにぎわいました。
一方で、国際情勢を反映したある狙いもあったようです。
新型コロナの影響で3年間開催が見送られた日米親善デー。

地上展示では最新鋭のステルス戦闘機で岩国基地に配備されているアメリカ海兵隊のF35Bと、航空自衛隊のF35Aが並べて展示され、ファンの注目を集めました。
航空機の搭乗体験や隊員との交流もこの日ならではです。

ピザやホットドッグなどアメリカンサイズの食べ物も魅力の1つです。
本場の味を買い求める人たちの長い列ができました。
イベントの花形は航空ショーです。

断続的に降り続く雨と空を覆う厚い雲のため航空ショーは予定が変更されました。
フィナーレを飾る予定だった航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、ブルーインパルスの展示飛行は中止されました。

広島県廿日市市から来た人は
「最後まで粘って待ってたんですけど、残念ですけどしかたないですね」
関東から来場
「F35Bの飛行とあと曲芸飛行」
「とてもエキサイトしました体が熱くなりました」
「岩国基地もともと興味があって
質実剛健な感じがするんです岩国基地って」

岩国基地は海兵隊とアメリカ海軍、海上自衛隊の3つの部隊が共同で使用しています。
海上自衛隊の第31航空群は岩国基地に編成されて今年で50年です。

アメリカ軍のラスノック司令官と海上自衛隊の平木群司令が、そろって取材に応じました。
イベントを楽しんで欲しいとする一方で、日米の協力態勢を世界にアピールする意義を強調しました。

アメリカ軍岩国基地リチャード・ラスノック司令官
「私たちがここで任務に就くことによって日米同盟を支え。
それが自由で開かれたインド太平洋地域の安定により重要だと思っています。
きょうは1部ですが、私たちがこの地域の安定と平和のために
どのようなことをしているかご覧頂きたいと思います」

海上自衛隊第31航空群 平木拓宏 群司令
「ひとつの目的はきょうは来てくれるお客さんに非常に楽しんでもらうこと、そして2つ目はわれわれの絆を全世界に発信することです
これをまた全世界、周辺国に発信できることは非常に意義があると思っています」

中国や北朝鮮の軍事行動など日本周辺の安全保障環境は厳しさを増しています。
岩国基地は日米同盟や即応態勢を築く上で、重要性が高まっているとされます。
こうした動きを危惧する声もあります。
基地の機能強化につながる動きを警戒する市民はイベントをどう見たのでしょうか。

瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク 久米慶典・顧問
「たくさん人が来てですね、楽しくていいようなところもあると
認識されると思うがやはり今、拠点化が戦争に向けて出撃拠点化が
すごく進んでいる、そのことについては目を背けてはいけないと思います
共同訓練が非常に強化されているし、自衛隊と米軍の一体化が進んでいる
戦争の準備が進められている
現実をしっかりと見ることが必要で基地の存在というものを
あらためて考え直すそういう機会にしてもらったら」

雨の中、6万2000人が訪れた日米親善デー。
全国から訪れた航空ファンや家族連れなどがふだん入ることのできない基地のイベントを楽しみましたが、日本の安全保障をめぐる現状がかいま見えた1日でもありました。