地下70メートルの洞窟で、ある実験をしていたスペインの登山家の女性。先週、500日ぶりに笑顔で地上に戻ってきました。

拍手に迎えられ、地上に姿を現したこちらの女性。実は日の光を浴びるのは、およそ1年半ぶりです。

ベテランの登山家だったフラミニさんが地下70メートルの洞窟に入ったのは、おととし11月。それ以来、実験機材の交換のため外に出た期間を除き、実に500日間を運動や編み物などをしながら過ごしたといいます。

登山家 ベアトリス・フラミニさん
「時間の流れが早かったり、あるいは遅かったりするわけではありません。ここでは単純に、時間は流れません。いつでも朝の4時のような感じです」

社会からの隔絶が人間の時間感覚や脳波などに、どのような影響を与えるかを調べる目的で行われたというこの試み。今後、スペインの大学の研究にも活用されるということです。

会見で「途中であきらめようと思わなかったのか」と問われたフラミニさんは。

登山家 ベアトリス・フラミニさん
「いいえ。一度も外に出ようとは思いませんでした」