
「いざという時はやる」姿見せ…ウクライナ電撃訪問は解散への“仕込み”だった
ーー岸田総理のウクライナ電撃訪問をどう見ますか?
後藤氏:
あの頃に(解散への)仕込みがあったっていうのが私の認識なんですね。大体、解散をやろうと考えると3か月前から具体的な仕込みに入る。その中核を成すのがこのウクライナ訪問。それも電撃的であることに非常に意味があるわけですね。つまり、この岸田文雄という内閣総理大臣はリスクを取りながらそういう外国訪問をやるんだと。「いざという時はやる総理」というスタイルを見せるのも非常に重要だったと思うんですね。
選挙への意識が垣間見えた元宿氏との接触 総理は「解散に前のめりだった」?
ーーウクライナ出発前の15日、岸田総理は元宿仁・自民党本部事務総長と2時間ほど会っています。
後藤氏:
元宿さんは岸田さんが経理局長をやられた時の、ある意味で師匠さんだった。元宿さんにしてみると岸田さんは手塩にかけた愛弟子が総理大臣になったというような気分ですから、非常に突っ込んだ話もして。この日は当然、選挙の話をしているわけですね。私の取材で見えてきているのは、元宿さんはデータ主義ですから、この会談で「(解散を)おやりになるならきちっとデータ取ってからにしましょう」ということで別れてるんです。だから、その段階で終わってますけども、岸田さんの頭の中に選挙のことがあったことだけは間違いないですね。それが初めて表にちらっと出てきたのが、この元宿さんとの会談ですよね。
ーー「データを取ってからにしましょう」ということは、岸田総理が(解散に)前のめりだった?
後藤氏:
私はそうだったんじゃないかと思います。
解散の仕込みは3か月前が常道…ウクライナ訪問の日付も「ぴったりです」
ーー岸田総理は3月19日、地元・広島で自身の後援会に出席しています。この意味は?
後藤氏:
これはもう、総理大臣が地元入りして里心ついたら選挙が危ない(解散が近い)と。2014年に安倍元総理が電撃解散をやった時、あのときは夏のちょうど旧盆の時期でしたけども、安倍さんは下関に入ってるんですね。初盆を迎えた支持者のところに御線香をあげに回ったりとかですね、つまりそこから、解散3か月前から仕込みが始まっているんですね。岸田さんは安倍内閣の外務大臣でしたから、当然そういう状況はつぶさに見ているはずです。つまり3か月前に仕込みに入るっていうのが解散のある種の常道。経験則から言っても結構その道を通るわけですね。ここで重なってるわけですよね、ぴったり。

ーー通常国会会期末「6月21日」の3か月前は、ウクライナを電撃訪問した「3月21日」。
後藤氏:
ぴったりです。危ない。だから、今の状況をサーフィンに例えると…サーファーの人たちってみんなお腹の下にサーフボードを入れてパドリングして波を待ってて、ビッグウェーブが来たら「それ行け」と。そういう準備をしてなかったら「それ行け」とできないわけですね。だから岸田さんは多分それをやっている。私はよく言うんですが「解散風は気象現象で言えば偏西風だ」と。絶えず流れているんです。いつでも永田町には。時折南下して、急速に発達するわけですが、今は徐々に南下をし始めている状況にあるんじゃないのかなっていう感じがするんですね。