関東大震災を長年研究してきた、名古屋大学の武村雅之特任教授です。今村が危険を事前に訴えた当初、「根拠のない浮説」=デマとまで言われた予測を的中させたことよりも、耐震化を始め、備えの必要性を訴え続けた今村の姿勢に注目します。



(名古屋大・武村雅之特任教授)「あれだけ国民の生命・財産を守るということに注力するということがすごいこと。口先では皆言う。今村はそこが偉い」

震災後、東大教授となった今村が中心となり、まとめた震災予防調査会報告100号です。


膨大な犠牲を前に「地震学者として誠に慚愧に堪えない」として6冊にわたる資料を次の世に残した今村は、その後も講演や録音を通じ、地震そして火災への備えを訴え続けました。

(今村明恒)
「地震は人の力で押さえつけることはできませんが、震災は人の力で防ぎとめることができます」

生涯にわたり、次なる地震への警鐘を鳴らし続けた今村明恒。私たちはその思いを受け止めて生きてきたか?節目のことし、巨大地震の教訓そして備えのいまを検証します。

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「国や都の想定よりもっと大きな被害が出る。大丈夫との保証ない」