臨月で被災…繰り返す不安と痛み あの時の母の想いは

原田由紀さん「奇跡って言い方は大げさかもしれないけれど、本当にいろんな条件が重なって無事で産まれてきてくれた命だなっていうのは日々感じています」

熊本市に住む原田さん。次男の龍工(りく)君は7年前のあの日まだ由紀さんのお腹の中にいました。

臨月を迎えていた原田さんは本震後近くの小学校に避難しましたが、お腹にハリを感じて入院。

陣痛がきたものの…

由紀さん「余震がくるたびに体がこわばって陣痛の波が消えてしまって、なかなかいい陣痛がつかなかったんですよね」

繰り返す不安と痛み。そんな状態が1週間ほど続く中で破水。

帝王切開での出産を決めたときに医師から言われた言葉が、由紀さんの心に今も残っています。

由紀さん「『手術している間絶対に大きく揺れることはないからね。安心してね』って言ってくださって。絶対揺れないっていう保証はないけど、すごく安心してお任せできるって思って」

本震から10日後、無事に産まれた龍工くん。

たくさんの支援を受けてすくすくと成長し、被災後に避難した学校で入学式を迎えました。校門の前で記念撮影です。

由紀さん「こっち向いてこっち。ハイ撮ります」

熊本地震から7年。原田さん親子はまたここから新たな一歩を踏み出します。

龍工くん「体育を頑張りたい」 

由紀さん「避難した体育館に入って思い出すこともありますけど、(学校生活を)怪我なく元気に精一杯楽しんでくれたらなと思います」