宮古島で陸上自衛隊第8師団所属のヘリコプターが行方不明になってから5日。自衛隊や海上保安庁による捜索が続いています。

自衛隊の掃海艇や潜水艦救難艦も捜索に加わり、海中からの調査も実施しているものの、いまだに行方不明者につながる手がかりは見つかっていません。

この海域について、酒井良海上幕僚長は11日の会見で「海底地形等がサンゴによって複雑。ソナーを使って探索しているが、探知したデコボコが機体なのか、サンゴの岩礁なのか見分けができないのが実情」と捜索の難しさを述べました。

また陸自ヘリがレーダーから消えて捜索が始まった今月6日、宮古島周辺の波の状況を波浪図で見てみると、6日は波の高さが3メートル前後、翌7日からは3メートルから4メートルと連日波が高かったことが分かります。潮の流れの速さに加えて、海が荒れたこともあり、発生当初の捜索は困難だったとみられます。

こうした中、4月11日午前9時現在、フィリピンの東の海上で熱帯低気圧が発生していて、今後24時間以内に台風にまで発達する見込みに。台風の発生となれば今年初めてで、台風1号となります。

進路図を確認すると、今後は西に進んだ後、14日(金)頃にかけて進路を北西に変える予想で、陸自ヘリの捜索が続く宮古島周辺海域に少しずつ近づくようにもみえます。台風は14日(金)にフィリピンに上陸し、熱帯低気圧へと変わる見込みです。

また、この台風に加えて、14日から15日にかけて宮古島付近を寒冷前線が通過し、強い北風が吹きつける見通しとなっていて、波の高さに影響が出る可能性があるなど捜索への影響も懸念されます。

24時間態勢で捜索が行われる中、ヘリコプターに乗っていた10人の安否の確認が急がれます。