本名
一方で人口対策。総務省の人口移動報告で広島市が2522人転出超過になっていて、これが中国地方ではワースト。全国でも下から3番目と、市民にとってはちょっとショッキングな話ではあるんですが、そのあたり、街づくりについては?

広島市長選で4選 松井一実 市長
これは、統計の妙なんですよ。例えば、広島圏域と考えたときに、みなさん、府中町とか海田町を広島市外だと思いでしょうかね。構造的に広島の中に含まれている、わたくしは広域都市圏と考えていますからね。そうしますと、むしろ海田なんかは人口が増えているんです。府中町も増えるんですね。そこらへんのゾーンで考えると、決して減っているわけじゃない。隣接している東広島市まで含めると、広島大学が行ったせいかもわかりませんし、がんばっているから20万人都市に向けて人口が増えているんですよ。そうすると、この地域全体が一緒になって考えるということもしないで、今の行政区画を区切り取って、増えた・減ったという発想はどうも嫌なんですね。

自分は今、申し上げたように広い、このゾーンの中で問題を解決するようにするためにどうするかということと、すでに人口減は2000年代初めぐらいから始まっていて、減るということがいわれていたんですね。だから市長になって、今、足しあげると240~250万人いるんだけども、200万人を割らないようにするために200万広域都市をやっているわけですよ。だから今、始まった話じゃなくて、もう数十年前から起こっていることだから、都市の構造を変えて、この地域全体で人々がい続けるための構造変革をしていると思ってください。その過程で、過去の効果でまだ減っているけれども、今からその傾向をいわゆる是正するための街づくりを今、やっておくというつもりです。

だから、ここで減っているからといって、あわてはしない。これ以上、減らないためにどうするか。この地域で住むことが自分たちにとってプラスだし、お年寄りも互助の精神でいい生活ができるように見せる。すると若い方がたもこの地域で自分たちもい続けようか、あるいは1回、都会に出ても、帰ってきて、この地域で生活するといいなということは実感できる、そういう街づくりを急ぐことがこれからの人口減への対応だと思っているんです。今すぐにJターン・Uターン、こういったことでの効果を上げるということ以上にもっと重要なことは、基盤づくりを今、急ぐということだと、そういうふうに思えて仕方ないんですけどね。

本名
最後にひとこと、ラジオをお聞きの市民のみなさんにお願いします。

広島市長選で4選 松井一実 市長
わたし自身は今、申し上げたような問題意識で市長をこの4年、やり抜きたいと。そんな中でぜひ、わかっていただきたいのは今、起こっているいろんな事象は、過去のわれわれの取り組みの結果がこういった現象を生んでいるわけですね。だから、このパラダイムシフトといいますか、考え方を基本的に改めて、これから10年・20年先に向けて、いい結果を出すために今、何が求められるかと。そういう発想で街づくりをやりますし。これは、今までの流れを変えていくというたいへんな作業ですから、すぐに成果は表れないかもわかりませんけども、ゆっくりであっても着実に物事を変えていくための市政運営ということをやらせていただきたい。そういった目でわたくしの姿勢を見ていただきたいし、いろんな意味でご支援いただきたいなというふうに思っています。

(RCCラジオ「本名正憲のおはようラジオ」 2023年4月10日放送より)