■日本酒で乾杯 韓国「ノージャパン」運動にも変化
3年前、韓国国内で広がった「ノージャパン」運動。日本政府が韓国に対し半導体素材の輸出規制を強化したのを機にあらゆる日本製品をボイコットする動きが始まりました。スーパーなどから次々と日本製品が消え、日本が出店していた店は相次ぎ撤退する事態に。日韓関係は“戦後最悪”とも言われていました。しかし、雰囲気は変わりつつあるようです。

早瀬川賢也記者
「ソウル市内にある日本式の居酒屋なのですが、午後6時をまわってすでに外でお客さんが待機しているほど盛況しています」
“焼きとん”が名物の日本式居酒屋は地元の客でにぎわっています。客が飲んでいたのは日本のビールです。
男性客
「(日本の)アサヒビールです。おいしい」
こちらの3人組は日本酒で乾杯。
男性客
「おととしは(不買運動が)盛んだったけど、コロナの影響かちょっと忘れられたようだ」
女性客
「私は韓国人なのでユニクロに行くのをためらいましたが、最近はそこまでではありません」
あれだけ盛り上がった「ノージャパン」が薄れている様子。一時期、スーパーから姿を消していた日本のお酒も今では普通に見かけるようになりました。今年序盤の日本のビールの輸入額は「ノージャパン」運動が始まって以降、最も高くなっています。
■韓国 尹錫悦大統領が就任 日韓関係に変化は…?
このまま日韓関係は改善に向かうのか。
午後、林外務大臣と会談に臨んだ尹新大統領。
尹錫悦大統領
「大臣、お会いできてうれしいです。お越しいただきありがとうございます」

会談で林大臣は尹大統領に岸田総理の親書を手渡しました。親書で岸田総理は「現下の国際情勢で日韓・日韓米の戦略的連携がこれほど必要な時はない」と強調。親書を受け取った尹大統領は「早いうちに岸田総理とお会いできればと期待している」と日本との対話に意欲を示しました。
しかし、両国には日本企業の資産が現金化されるおそれのある「徴用工問題」のほか慰安婦問題など根深い課題が残っています。今後、関係改善に向けた具体的な動きにつなげていけるのかが焦点です。