金沢市では自転車のヘルメット着用が努力義務化される以前から、公共レンタサイクルの利用者にヘルメットの無料貸し出しを行っています。
4月からは着用率をより高める取り組みを進めていますが、利便性などの面で課題もあるようです。
市民や観光客向けに、金沢市内の至る所に設置されている公共レンタサイクル「まちのり」
街の人も「天気のいい日はまちのりを使っている。スマホのアプリで場所が確認できるし、近くにポートがあればそこに返せる」とかなり便利に感じているようです。
市では運用が始まった2012年から、市役所など3か所でヘルメットの無料貸し出しを行ってきましたが、この4月からは貸し出しスポットを6か所に増設。
用意するヘルメットもこれまでの28個から62個に増やして、着用率をより高める取り組みを進めてきました。
金沢市交通政策課 近藤陽介課長は「県外からの観光客が『ヘルメットが努力義務になったし着けてみようかな』ということで借りている様子も見られた」と話していました。
「人が使ったヘルメットはちょっと…」衛生面や利便性に街から疑問
「なんとなく、他の人がつかったヘルメットをかぶるのは抵抗がある。借りる場所が限られていると聞くとそこに行く用事があればいいが、ヘルメットを借りるためだけに行くのはちょっと面倒。」
自転車は借りた場所以外のスポットへ返却できますが、ヘルメットは「借りた場所へ返す」のが基本。「1台ずつにヘルメットを設置する」など、さまざまな意見もあったといいますが、全ての声を聞き入れるのは難しいようです。「他の地域や他の国でもいろいろ悩んでいると聞いている。自転車にヘルメットを備え付けて貸し出したら盗難が多発してしまったなど、他の事例もしっかり見ながら今後のヘルメットのあり方は引き続き考えていきたい」(金沢市交通政策課 近藤陽介課長)
金沢市では「まちのり」の利用について、市民にはできるだけ自身のヘルメットを用意してほしいと呼びかけています。