料理のアクセントとして使用されるスパイス。世界で使われているスパイスは350から500種類と言われています。その多くの産地は熱帯から亜熱帯地方に集中しているため日本での栽培が難しく、国産スパイスは少ないのが現状です。

こうした中、亜熱帯気候に属する沖縄の優位性を利用しながら県産スパイスを栽培し、そのスパイスを使ったカレーを提供している店舗があります。

その店舗とは『オンザファーム』(名護市)。スパイス栽培のパイオニアとして知られる芳野幸雄さんがオーナーを務める店で、県内外の料理人とコラボ―レーションするときにだけ開店する、幻のポップアップレストランになっています。

現在芳野さんが栽培しているスパイスはおよそ20種類。レッドチリやカラキ、フェンネルシードやオールスパイスなど、亜熱帯の気候をいかして、沖縄県産スパイスの新しい可能性を追求しています。

海外からの輸入品が多いスパイスですが、県内で栽培したものはどのような特徴があるのでしょうか。

オンザファーム 芳野幸雄さん「地域ごとに味は変わると思うんですが、おそらく輸入のものは僕たちの手元に届くまでにどれくらいの日数が経っているか分からない。香りのよさなどは鮮度だと思っていて」

収穫したての香りのよさが県産スパイスの魅力。芳野さんは全て沖縄の食材を使ったスパイスカレーを研究していて、『スパイスカレーの会』を2,3か月に一度開催しています。

現在の県産スパイスの生産量は十分ではないと話す芳野さん。今後生産量を増やして、国産スパイスに興味のある人に使ってもらい広げていきたいとしています。

使い方ひとつで広がる可能性を秘めたスパイス。外国産が当たり前という業界の常識に、芳野さんは挑みます。